【れいわ新選組・山本太郎代表に聞く】「20年デフレ」脱却のため、捨て身の集団をつくる(1)
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7月の参院選で「れいわ新選組」は比例代表で228万票を獲得し、舩後靖彦(ふなご・やすひこ)氏(61)と木村英子氏(54)の2人の当選者を出した。政党でない確認団体が国政選挙に挑み、公職選挙法が定める政党要件を満たすのは初めての快挙。運動資金はすべて寄付で賄い、その額は4億円を超えた。ポスター張りやチラシ配布に携わったボランティアは数えきれない。
テレビがまったく報道しないなか、全国をまわる街頭演説は日に日に聴衆が増え、熱狂に包まれた。10月4日から臨時国会を迎えるにあたり、代表の山本太郎前参院議員に参院選の総括や今後の抱負など話を聞いた(取材日:9月11日)。
選挙結果を受けての変化
――熱い選挙戦でした。1カ月以上経っての総括を。
山本太郎氏(以下、山本) 現場の熱は、群を抜いていた。熱だけで判断されるなら、もう与党(笑)。ふたを開けてみれば2議席だけで、本人落選というおまけまで付きました。
開票直後に言ったのは、「国会議員・山本太郎」としては負けたが、れいわ新選組としては前進したということ。あのときの総括と今の総括はほとんどずれていない。2013年に市民運動として1議席を東京から与えていただいたときより、大きく前進したといえる。
――1カ月間でご自身に変化はあったか。
山本 資料を取り寄せるときなど、国会議員でなくなったことによる不便さは感じる。しかし、議員だったときより今のほうが忙しい。会期中・閉会中の区切りがなくなり、党や政策、相談など、いろいろなことに対して動かなければならない。政党要件を得たことについては、まだ助成金をいただいてないから、実感がないですね。
――NHKの『日曜討論』に「れいわ」を出演させない可能性はあるかと質問したことに対して、NHKは「報道機関の自主的な検討の結果として十分ある」と答えました。
山本 相変わらずの寝ぼけっぷり。(NHKを)「ぶっ壊す」という人たちがいても、「やめといてやれよ」とはよう言わない。政党要件を満たしているわけだから、NHKの独自ルール※みたいなものに振り回されるってことではない。たった2議席の政党でも、この国の政治を運営していくうえで助成金やいろいろなものが使われており、どのような考えをもっているのか国民に対して情報提供されなければならない。
――出演依頼がなければ、何らかの行動を取るか。
山本 「生活の党と山本太郎となかまたち」のとき(2015年)、5人の議員がいたが、2%の得票率を満たしていないことがあった。今回と逆のかたちです。そのときNHKにおじゃまして抗議した。2回目に行こうとしたら、「もう来てくれるな、困る」と言われた。政党要件を満たしていれば、人々の知る権利を担保するために出演させるべきとの提案をしに行く。行動は必要だが、自分たちの権利だけ主張することにはならない。
つまり、私たちを番組に出していただくことを検討してくれということは、自動的に「NHKから国民を守る党」(N国)の出演も認めて、という主張とイコールになる。どちらも政党要件を満たしているのだから、片方の権利のみ尊重してくれという話にはならない。
――その場合は(N国と)一緒に行くのか。
山本 一緒には行かない。私たちは私たちで声を挙げる。
※2013年に「みどりの風」を出演させなかった際、NHKは「-15人以上の国会議員がいる-2直近の国政選挙で2%以上の得票、の両方が必要」との独自の基準を示している。
(つづく)
【高橋 清隆】<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。
▼関連リンク
・「れいわ」出演させない可能性あり、NHK『日曜討論』(2019年09月12日)
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・「どこまで自民の尻なめるのか」、れいわがマスコミを批判(2019年07月22日)
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