2024年12月23日( 月 )

【れいわ新選組・山本太郎代表に聞く】「20年デフレ」脱却のため、捨て身の集団をつくる(5)

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台風被害放置の「出がらしお友達内閣」

 ――改造内閣の顔ぶれについての感想を。

 山本 4期目を狙う気なさそうなラインナップですね。一言でいえば、「出がらしお友達内閣」以外に、表現が見つからない。

 ――出がらしではない、30代の方も1人いますね。

 山本 たとえ新品だったとしても、味が出るのかな(笑)。そういう性質の、色の薄い茶葉かも。

 ――スキャンダルや疑惑を抱えた人も入閣した。安倍総理は「無茶な布陣でも、今なら批判をかわせる」という計算があるのか。

 山本 スキャンダルや問題を抱えた人を一定数入閣させるのは、これまで通りなんです。桜田義孝前五輪相や片山さつき前地方創生相みたいに。そして、何かまずい問題が出てきたら自分の周りを炎上させて煙幕を張る。忍者みたいにね。やり方が巧みです。

 ――山本代表の趣味であるサーフィンで千葉にも行かれると思うが、台風15号による被害について実情が伝わっていない現状(註:9月11日時点)をどう思われるか。

 山本 東京からこれだけ近いところで、食料が底を尽きたりライフラインが断絶される状況。本気を出せば、もっと大きな手助けできるはずなんです。西日本豪雨被害のときも話しましたが、自衛隊にはキッチンカーが山ほどあるのに、それを稼働させようとしない。料理人で仕事を探している方もいる。知事がポンコツでも国が本気になればちゃんとした支援はできるということです。

 一方で、内閣改造の話だけがテレビで盛り上がっている。マスコミが隠さなければならないのは、あの内閣が何の役にも立たないということ。国を切り売りしたり人々を叩き売るのは一流だが、この国の人々の命を守ることに関しては大した策を講じない。そのことは、西日本豪雨で答え合わせが済んでいる。そう考えると、彼らにとって一番らやなければならないのは災害の報道ではない、となるのでは。

 ――西日本新聞のインタビューで、次期衆院選で擁立したいのは「手あかの付いてない感じの人」と話していた。公募が基本になるのか。

 山本 とくに公募にこだわるわけでなく、実際に出会った場合も、紹介を受けることもあるでしょう。「手あかの付いた」という表現をしたが、政治経験があるという意味で言っているわけではない。志はあるけど、ちゃんと仕事をしていたけれど、チャンスに恵まれなかった人もいると思う。実績や組織票も全部もっていればもちろんいいが、まずは気持ちを第一に見たい。基本的に「捨て身でやります」「捨て石、上等です」という考え方をもっている人がたくさんいてくれたらうれしい。

 ――山本氏の発言を受けて、地方議員のなかから「れいわから立ちたい」という声もあがり始めている。

 山本 「れいわ」の地方議員はつくらない。ただし、山本太郎の推薦というかたちでは、選挙でも応援する。「れいわ」の看板は背負わないが、フリースタイルとしてそれぞれの地域でやっていきながら、一番その地域の住民のためになるようなことに参加していく人をどんどんつくりたい。

捨て身の集団つくる

 ――演説の合間に時々吸っていたのは、酸素ボンベですか。

 山本 選挙が始まる前、街宣時に酸素を吸入していた。2、3時間しゃべっていると、人とやり取りしながらでも言葉が出なくなってくる。頭が酸欠になるのかな。しかし、そういう激しい状態のときに使うと、逆に脳に対して負荷がかかるというようなことを医者から言われてやめました。だからもう自力で治す、自然治癒力だって(笑)。

 ――読者に何かメッセージがあれば。

 山本 実をいうと、選挙後開票センターで感じたのは、(票が)少ないということでした。それが私の本音です。生意気な考えかもしれないが、「これだけなのか」と、一瞬がく然とした。でもあの結果は、投票率が低かったりテレビが取り上げないなかでいただいた票としては最大だったろうと思います。これを広げていきたい。本当に捨て身の集団をつくりたい。保身を考えなければ議席を確保できない状況を突き付けられたときに、「いつだって全部ばらして辞めてやる」というスタンスの人たちの集まりを。そういう議員の数を増やしたときに、初めて世の中が変わるんだと思う。みなさんのために捨て身で闘えるようなグループをつくっていくので、どうか「生温かく」見守っていただくとともに、少しでも興味をもってくださったら、力強く応援していただきたい。

 ――応援したい人ができることは。

 山本 まず、ボランティア登録をお願いしたい。事務所を東京・赤坂に借りました。あえて無理して、交通の便の良い高い物件を借りましたが、これはやってやるぞという宣言です。これまで会ったことのないような人たちとの出会いを期待しています。

(了)
【高橋 清隆】

街頭演説に集まった人々(7.13東京・JR渋谷駅ハチ公前広場)
街頭演説に集まった人々(7.13東京・JR渋谷駅ハチ公前広場)

<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)  

 1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。

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