【ラグビーW杯】福岡での最終戦も熱戦─アイルランド代表vsサモア代表戦─
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(まずは、台風19号の被害により犠牲になった方々へ心より哀悼の意を表し、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。1日も早く日常生活に戻られることをお祈り申し上げます)
ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)での日本代表の快進撃により、国内での盛り上がりは最高潮で、テレビのニュースやワイドショーなどでは連日「ヒーロー」を取り上げている。また一般の方々も、日常会話においてラグビーを話題にしており、前回大会以上の、ムーブメントとなっている。
W杯の試合会場の1つであった、福岡市博多区の東平尾公園博多の森球技場では10月12日、福岡会場の最終戦としてアイルランド代表とサモア代表の1戦が行われた。(詳細な周辺レポートは、下記「ラグピー観戦で福岡に滞在されたアイランドの方々、ありがとうございます」をご参照ください)。
結果は、7トライを奪ったアイルランド代表が47-5と、サモア代表を1トライに抑える完勝だった。すでにサモア代表は、プール戦にてW杯終戦。一方のアイルランドは勝てば決勝トーナメント進出を決める試合だった。
テリトリー=陣地の支配率81%アイルランド代表、ボールポゼッション(ボール支配率)はアイルランド代表75%といずれもサモア代表を圧倒。アイルランド代表のアタックの指数もラン&パスなど、すべての項目でサモア代表を圧倒する結果を示した。また、アイルランド代表のキックでのゲインメーターもサモア代表の1.6倍となる601mだった。
前述の通り、アイルランド代表は、SH(9番)コナー・マレー、SO(10番)ジョニー・セクストンが縦横無尽にキックとパスを駆使したアタックを構築し、サモア代表のディフェンス網を崩壊させた。サモア代表のタックル成功率は87%と高水準だが、回数は218回と国際レベルにおいては高い負荷となった。200回を超えるタックルをさせたアイルランド代表のアタックは、今大会で一番の出来栄えであったといえる。
波状的なアタックの継続によって、サモア代表はウイークポイントだった規律面の脆さをこの試合でも露呈させた(ペナルティ17回・イエローカードでのシンビン2回)。他方、アイルランド代表CTB(12番)バンディ・アキが前半28分、危険なプレイと判定されペナルティ、そしてレッドカードを提示され、一発退場となった。
アイルランド代表は、残りの52分間を1人少ない14人で戦った。国際レベルにおいて1人少ない人数で試合することは、サッカー同様、残った選手は通常の1.5〜2倍の運動量が求められる。
そのようなハンデがあるなか、アイルランド代表は14人で4トライを奪うなど、献身的かつ、ハードワークによって終始主導権を握り、アイルランド代表本来の強さを披露した。
次戦は10月19日、東京スタジアムでのニュージーランド代表との対戦。下馬評ではニュージーランド代表「オールブラックス」が優勢とされる。ただ、アイルランド代表はジョー・シュミットヘッドコーチが就任して以来、オールブラックスに2勝している。直近では、昨年11月18日に地元ダブリンで勝利した。ジョー・シュミットヘッドコーチの作戦立案とそれに向けての周到な準備は、世界中の誰もが知るところで、そのインテリジェンスを選手に伝え、パフォーマンスに反映させている。
W杯3連覇を目指すオールブラックスも、世界一の矜恃をもって、どのチームよりもハードワークしながら、冷静沈着なゲームマネジメントによって試合を支配する戦法を駆使するだろう。注目の一戦であることは間違いない。
【河原 清明】
【スタジアム周辺レポート】
ラグビーW杯観戦で福岡に滞在されたアイルランドの方々、ありがとうございます10月に入り、福岡で西洋の方々を多数見かけるようになった。博多リバレインにあるブリティッシュバーにも西洋の方々がきて、黒ビールを愛飲している。
40歳過ぎであろう体格の良い男性に尋ねると「アイルランドからラグビー観戦にきた」といい「滞在予定はラグビー決勝までの予定だ」という答えが返ってきた。12日の試合に勝てば、滞在場所を試合会場近くに変更する予定で、滞在期間は1カ月とか。すごい熱の入りようである。
このバーにいる西洋人は老若男女幅広いようだ。「何人ぐらい来ているのか?」と聞いてみるが「わからない」という返事が返ってきた。
12日、取材を開始した。お昼から午後4時ぐらいまではアイルランド人?と見られる西洋人が福岡の街から消えた。「試合会場である博多の森球技場に移動したのかな」と結論を下し、午後4時過ぎ中洲川端駅から空港行きの地下鉄に乗る。
台風19号の影響で東京行きの飛行機はストップしている。だから観客は少ないと予想していた。確かに飛行機利用者とみられる人たちは少なかったが、ラグビー観戦者と見られる人の姿は目立ち、そのなかでもとりわけアイルランド人の姿が目についた。。
午後5時、地下鉄福岡空港駅の改札口に立った。皆さま「一路、博多の森へ」と歩を進めているようだ。試合開始の午後7時45分の2時間前にはスタジアムに到着したいと思っているのだろう。
観客の大半は徒歩で博多の森へと向かっていた。所用時間は25分程度だ。歩道は「押し合いへし合い」状態で前に進むのは容易ではない。またアイルランド人とみられる男女を追い抜くのは至難の業。ここは流れに従うしかない。
途中、コンビニと仮設トイレがある場所に100人以上のアイルランド人の集団がいた。ビールとツマミの買い出しとトイレの利用が目的のようだ。若い女性2人が国歌かラグビー応援歌かを歌い始めると周囲のアイルランド人たちも歌い始めた。
博多の森球技場のゲートまで行って引き返す。ラグビーW杯がこれほど盛り上がっているとは驚いた。また、多くの日本人もスタジアムを目指しているのだ。この光景から換算するとアイルランド人の観客数は約3,000人だ。
午後6時半、再び福岡空港改札口に立つ。博多の森へと向かう観客数は減ったものの、途切れることはなく、かつて社会人ラグビーで名を馳せた元選手も観戦に向かっていた
試合の結果は前述のようにアイルランドの圧勝。東京スタジアムで行われる準々決勝でもたくさんのアイルランドの方々が観戦に行くだろう。
14日の夕方、フィッシュアンドチップスを提供する店に20数名のアイルランド人がいた。アイルランドの皆さま、福岡でたくさんのお金を使っていただきありがとうございました!
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