ラグビーW杯、日本代表健闘するも…─日本代表vs南アフリカ代表─
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ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)で日本代表は10月20日、東京スタジアムで南アフリカ代表(スプリングボクス)と対戦し、3-26で敗れた。この結果、日本代表の未知への挑戦は、次回のW杯以降へと引き継がれることとなった。
まずは、ベスト8という成果をあげた日本代表の登録メンバー、そして候補選手、キャンプに参加した選手一同、コーチングスタッフ、メディカルスタッフ、マネジメントスタッフなどスタッフ一同、そして日本協会関係者の皆さんに心より敬意を表したい。そして、何よりも日本人サポーターやファンが日本代表、そして各国代表に、開催前から温かな声援を贈ったことは、日本人としての誇りとなった。
試合は、南アフリカ代表が終始主導権を握った。
それを象徴するプレーが、南アフリカ代表のディフェンス&タックルだった。南アフリカ代表は、これまでの日本代表のバックラインとフォワードの戦法を完全に掌握し、日本代表のボールを動かす戦法を封じ込めた。
南アフリカ代表のタックル成功率は88%と高い水準を示している。南アフリカ代表のプール戦4試合平均のタックル成功率は83.25%で、日本戦に向けて、とくにディフェンス面での修正を施してきたことがうかがい知れる。南アフリカ代表は1対1の局面で、日本代表の動きを完全に封じて、ボールと身体のコントロールを麻痺させていた。
南アフリカ代表は1対1の局面で、日本代表のボールおよび身体のコントロールを完全に封じ込めていた。南アフリカ代表のフィジカルの強さを全面に押し出したパワフルなタックルで、日本代表の“御家芸”となったオフロードパスを封じた。
さらにこの試合でのマン オブ ザ・マッチに選ばれたSH(9番)デクラークとSO(10番)ハンドレ・ポラードが変幻自在のキック&パントを駆使して、空中でのボールコンテストに持ち込み、さらに効率的なテリトリーを確保。ラインアウト・ディフェンス時にも日本代表にプレッシャーをかけ続け、日本代表のラインアウトのエラー5本を誘発した。
日本代表は、どのチームよりも豊富な運動量を最大限にいかし、後半、南アフリカ代表を圧倒するランとパスを駆使したアタックを試みたものの、南アフリカ代表の運動量も落ちることなく、献身的なディフェンスを80分間継続。前半のボール支配率は68:32で日本代表が圧倒していたが、その数値以上の南アフリカ代表のディフェンス力が優った。
後半の支配率は、ほぼ反転し、南アフリカ代表のアタックが優勢となり、雌雄が決した。それでも1試合平均6.75トライの南アフリカ代表を3トライに抑え、南アフリカ代表のアタックに対しての果敢なタックルとラック(ブレイクダウン)による正々堂々とした“バトル”は、オールブラックスにつぐ秀逸したパフォーマンスだったと言っても良いだろう。これらは、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ体制下、日本代表が凄まじい鍛錬を積み上げてきた成果であり、日本ラグビーが世界標準となった証である。
今後は、4年後、8年後、それ以降に向けて、代表とともに国内ラグビーチームと選手のさらなる向上のための活動が急務である。ラグビーの現場で活動する関係者が一丸となって取り組み、 W杯の制覇を目指したい。もう次への戦いは、始まっている。
最後に。日本代表の試合は終わったが、準決勝もすばらしい戦いが見られることを保証する。
【河原 清明】
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