2024年12月28日( 土 )

医者があきらめた疾病を完治 パーキンソン病の症状を抑制する針治療(前)

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長尾治療院

 60歳以上で100人に1人が発症するといわれるパーキンソン病は、脳内で運動の指令を伝えるドパミンが欠乏することで、運動機能に障害があらわれる進行性の疾患である。症状は体の片側から出始め、次第に反対側に広がり、ゆっくりと進行していく。現在の医療では原因は特定されておらず、ひとたび発症すると完治することはないが、鍼灸治療では疾患の進行を抑制することができる。

高齢化社会での現実

 日本のみならず中国の鍼灸技術にも精通する長尾治療院には、日々多くの患者が訪れる。車で1時間かけて治療に通っているCさん(79歳男性)は、建築の仕事をリタイアした9年前から足の不調を感じ始め、思うように足が前に出ず、小さな歩幅でヨチヨチ歩きになってしまった。自分では老化によるものとあきらめていたところ、その様子を見た知人からの強いすすめで長尾治療院を訪れた。その知人はCさんの歩き方がパーキンソン病の身内と似ていることに違和感を覚えていた。

 Cさんは1年ほど前、炊事中に天袋へ手を伸ばそうとして腕に激痛が走った。病院で精密検査を受けると腕は腱が2本切れていたが、不調を感じる両足はMRI検査では問題は見られなかった。腱の切れた片腕は不自由のまま、認知症の妻の面倒をみている。今でこそパーキンソン病は広く知られる病気だが、昔はあまり認識されていなかった。現在も単なる老化として捉えられ、本人が病気であることを自覚していないケースは多く、Cさんもその1人である。

 パーキンソン病は脳のなかの黒質と呼ばれる場所に存在するドパミン神経が脱落してなくなってしまう疾患で、いったん発症すると自然に良くなったり治ったりすることはない。脳内で運動の指令を伝えるドパミンが欠乏するため、手足の震え、動作の鈍さ、筋肉の固さなどの症状がでて、進行が進むと歩行障害が現れ、バランスを崩して転倒しやすくなる。さらに重症になると、車椅子やベッドで寝たきりとなり、日常生活では全介助が必要になる。以前は発症すると10年で寝たきりになるとも言われていた。

(つづく)

<プロフィール>
長尾 良一(ながお・りょういち)

 1949年福岡県生まれ。手技療法の大家であった父・松造氏の跡を継ぎ、長尾流の手技と独自の鍼灸治療で現在に至る。長尾治療院院長、日中特種鍼法研究会会長を務める。

<COMPANY INFORMATION>
所在地:佐賀県唐津市西城内6-7
TEL:0955-72-7243
FAX:0955-74-7072
URL:http://nagao-chiryouin.jp
治療内容:内科・外科・婦人科・皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・精神科・脳神経科系

(後)

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