消費税5%目指し野党超党派が勉強会開く、「野党結集の軸に」と馬淵氏
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衆院議員・馬淵澄夫氏(無所属)と前参院議員の山本太郎(れいわ新選組代表)の呼び掛けで10月30日、国会内で「消費税減税研究会」の初会合が開かれた。現職国会議員22人を含む35人が参加し、役員選任と今後の進め方について意見を交わした。
参加したのは、立憲・国民・れいわの3党と社保・碧水(へきすい)の2会派、無所属の衆・参議員。国民からは大西健介・篠原孝両衆院議員ら最多の11人が参加する一方、他党の勉強会参加を制約する「ご要請」文書が配布された立憲は川田龍平(参)・石垣のりこ(参)・初鹿明博(はつしか・あきひろ、衆)の3人にとどまった。
冒頭、馬淵氏が2017年の衆院選で自身が消費税の5%引き下げを訴えたことを挙げ、「今、(消費税が)10%に上がりデフレが続く中、家計の消費支出は5年連続対前年比マイナス。この状況を打破していくためにも、私たちは改めて税制全体を見直したい。野党が結集していく軸、大きな旗印として、次期参院選に向けた大きな公約とすべく、皆さまとゼロベースから議論したい」とあいさつした。
山本氏は参院議員として過ごした6年間を振り返り、「国の破壊を止めることができなかったのが野党。政権交代できなかったのは経済政策が甘いから」と分析する一方、「消費税廃止という考え方は国会のなかにそう多くない。私たちが政権を取るまで消費税はお預けということは、消費税は上がっていくしかない。じゃあ、5%で力を合わせられないか話し合えたら」と抱負を述べた。
会合は非公開で行われた。終了後の説明によれば、呼び掛け人の馬淵・山本の両氏を共同代表、大西氏を事務局長とする案が了承された。両代表に他の役員選任が一任されたことを受け、骨格を決め来週にも役員会を開き、次の週までに第2回を開く方針。招く講師陣は多数いて、すでに何人かに声を掛けているという。
議論を交わし、年度内のとりまとめを目指す。馬淵氏は「こうした勉強会を重ねながら、皆さんが一緒になって関わっていただけるようなうねりをつくりたい」と展望。中身については「ベーシックなところで認識をそろえたい。『財源が厳しい』と財務省がいうのははたして本当なのか。消費税が安定財源として本当に正しいのかを含めて、根本から見直したい」と意欲を示した。
「ゼロベース」の意味について山本氏は、「財源論は今まで言ってきたものであり、財政金融面をどうするかについて勉強会のなかで得た知識をプラスしていく」と述べ、税制改革とともに新規国債発行も辞さないことをほのめかした。減税幅について馬淵氏は、「5%が目標」と明言した。
消費税10%引き上げから約1カ月経つ現状について、馬淵氏は「GDP速報値がまだ出ていないので読めないが、ポイント還元などさまざまな施策で混乱している」。山本氏は「来年1月、2月に出てくる数字はうのみにできない。今回、駆け込みも起きてないことを見れば、生活はより厳しいものになっていかざるを得ない」と警戒する。
共産党については「もうすでに政策として固めているから」(馬淵氏)。同党は「野党連合政権」構想を掲げ、れいわと「5%への減税」で社民と「(減税という)大きな方向性」で合意している。
一方、N国については10月27日の埼玉知事選で消費税5%を掲げたが、「国民投票に資するとおっしゃっていたので、我々の勉強会になじむか不明だった」(大西氏)と説明。同党幹事長がきて退出を求められる一幕があった。
同勉強会を意識したとみられる「ご要請」文書の配布について、山本氏は「脅威だと思ってるんじゃないか。でも最終的にはみんなで5%の旗をもって政権交代しなければ、人々の生活は救われない。(文書が)あったとしても、後々一緒に勉強していきたい」と秋波を送り続ける。
大西氏によれば、国民内で同種の文書配布はなかった。
<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。関連キーワード
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