2024年11月23日( 土 )

北洋建設総帥・脇山章治氏の次なる戦略は(13)

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ダブリュコーポレーション資産造り絶好調(2)

借入100億円が一つの分岐点

 前回、【100億円の資産形成は通過点か】と述べた。現在の判明した根抵当額は69億円だ。筆者が脇山総帥であれば取りあえず極度額100億円まで資産造りに奔走する。あと31億円借り増すとなると1棟5億円として6棟分となる。まずは1年平均3物件の新築物を掌握できるだろう。あとは再生事件の転がり具合でチャンスが増加するであろう。極度額100億円の借入規模の段階で150億円程度の資産評価になることが予想される。

 ただW社にも制約がある。含みが少ないということである。上村建設グループの場合には上村倉庫が所有している不動産にかなりの含みがあるものが多い。蓄積年数が段違いに深い。それと比較して北洋建設グループ=W社の場合は不動産を本格的に買い込み始めたのが10年程度である。含みには乏しいのだ。だから単純には猪突猛進で買い捲るわけにはいかないという環境がある。バランス感覚に富んだ脇山総帥のことだ。そこはお見通しである。

 一方では強みも有している。北洋建設があまりにも利益がでる。頭脳聡明な脇山総帥は芸術的な節税対策を講じた。W社に持たせた物件に北洋建設を入居させる。相場よりもやや高めの家賃を設定させる(税務所が認定してくれるギリギリの範囲で入居するのだ)。W社にとって安定したテナント先を確保したということになる。九州みらい建設グループの拡販の裏ではW社のテナント探しの伏線があるかどうか定かではないが、さすが業界随一の戦略家・脇山氏の複合戦略の本質を見抜くことは至難の業である。

長男章治一族が事業継承する

wakiyama 脇山家の家族の絆の強さの一端を垣間見たことがある。10年前のことか。博多リバレイン5階でイタリアン料理を堪能していた。その前を章治氏夫婦、御両親、他一族2名ほど同行していたのを目撃した。当時、5から6階に高級和食店があり大繁盛していた。その店へ家族親睦の会食目的で直行するところであったのだ。軽く会釈の挨拶をした。章治氏は父上を負ぶった感じでサポートしていた。父上はだいぶ足腰が弱っていたのであろう。
 それから間もなくして父上がお亡くなりになられた。最後まで父上に喜んでいただこうとする家族全員の献身的な尽くしぶりには、脇山家の高い品格の匂いを感じ取った。ある種の感動を覚えたのである。加えること、家族の結束が強い。また章治氏の4人男兄弟の団結力はたいしたものだ。長男=家長性を認め合って長男章治氏を盛り立ててきた。福岡において身近な例として福岡地所の榎本兄弟、明太ふくやの川原兄弟の結束力が語り草になっている。この2例にも引け劣らない兄弟間の団結力である。

 長男=家長性を認めているということは、今後の事業継承は章治家が担うことになる。北洋建設・社会福祉法人の次期後継者は、章治氏の男の実子が継ぐ形になっている。今後のグループ中核を担うのがW社である。このW社が一族の資産会社ということになるのだ。別項に進興設備工業の研究を3回に渡って連載している。脇山総帥の経営戦略と対照的な経営を展開中だ。経営とはまさしく芸術なり。

(つづく)

▼関連リンク
進興設備工業研究(1)~金庫株突出!企業価値の高さ故の苦肉の策
進興設備工業研究(2)~水面下には様々な隠し物がある(前)
進興設備工業研究(3)~水面下には様々な隠し物がある(後)

 
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