九州地銀の2020年3月期 第2四半期(中間期)決算を検証する(1)
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【表1】を見ていただきたい。九州地銀(18行)の2020年3月期の第2四半期(中間期/9月期)決算発表日の推移表である。
~この表から見えるもの~
トップで発表したのは西日本FH(西日本シティ銀行・長崎銀行)で、昨年より1日早い11月6日(水)だった。昨年は十八銀行だったが、今年4月1日にふくおかFGと経営統合しており、その名はない。
・11月7日(木)は山口FG傘下の北九州銀行と筑邦銀行の2行。11月8日(金)は佐賀銀行と宮崎銀行の2行で、発表したのはいずれも第一地銀5行。
・週明け11日(月)はふくおかFG(福岡銀行・熊本銀行・親和銀行・十八銀行)、 大分銀行、 南日本銀行の6行。
・12日(火)は九州FG(肥後銀行・鹿児島銀行)、宮崎太陽銀行、福岡中央銀行、豊和銀行、佐賀共栄銀行の6行。曜日は昨年と同様だったが、日付は昨年より1日早く九州地銀18行の決算が出揃った。ただ、昨年と比べて第二地銀の決算発表が最終日に集中しているのが気になる。
【表2】を見ていただきたい。地方銀行の都道県別の分布図である。
~この表から見えるもの~
全国の地方銀行は第一地銀64行。第二地銀39行の計103行。
金融グループはフィデアHDから九州FGまで15。その傘下行は32行で、シェアは3割を超えており、今後も増加が予想される。
地銀103行のうち、東証一部に上場しているのは、15金融グループと58単独行。筑邦銀行など福証に単独上場している5つの銀行を合わせて78の銀行・金融グループが上場している。
・未上場は第一地銀の但馬銀行。第二地銀は東京スター銀行、神奈川銀行、福邦銀行、静岡中央銀行、西京銀行、佐賀共栄銀行、沖縄海邦銀行の7行で計8行。
地銀が多いのは福岡県で5行。次が静岡県の4行。以下、1~3行だが、愛知県だけが唯一、第一地銀ゼロ県となっている。
地銀が1県1行となっているのは、埼玉県(武蔵野銀行)、石川県(北國銀行)、山梨県(山梨中央銀行)、滋賀県(滋賀銀行)、京都府(京都銀行)、奈良県(南都銀行)、和歌山県(紀陽銀行)、鳥取県(鳥取銀行)の8県で、いずれも第一地銀。
<まとめ>
日銀のマイナス金利政策の影響を受けて、地銀は厳しい経営状況が続いている。今までは地銀同士の経営統合が主流だったが、今年9月6日、島根県の島根銀行(第二地銀)は、ネット銀行などを中核とするSBIホールディング(以下、SBIHD)と資本提携すると発表。続けて11月11日、福島県の福島銀行(第二地銀)も資本提携を発表。
第一地銀と第二地銀の格差は大きく、経営統合の壁は厚かったが、SBIHDの第二地銀への出資は経営が安定するというメリットがある。一方、SBIHDはネットではなく、提携する銀行の店舗を利用できるメリットがあり、双方の利害が一致する。今後、第二地銀を中心にSBIHDを含む他業種との資本提携が本格化するのではないだろうか。
(つづく)
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