福岡市の産廃業者 処分場の残余、測量せず 県が改善命令
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福岡県は11月20日、那珂川市不入道で廃棄物処分場を運営する福岡市南区の産業廃棄物処理業「総合コーポレーション(有)」に対し、処分場の埋め立て残余量を年1回以上測定、記録する義務を少なくとも2年間怠っているとして、廃棄物処理法(維持管理基準に違反)に基づき、年内に測量を実施するよう、改善命令を出した。
県によると、同処分場の埋め立て全容量は約4万6000m3。同社は前経営者から事業を承継するかたちで事業を開始。平成28年11月に許可の更新を行った際の残余量は約1万m3だった。このときに確認できた以降、県は残余量を把握できていない。
平成29年11月頃、処分場の展開検査場に積まれた廃棄物を埋立地に埋め立てると、許可容量を超える懸念があったため、県は残余量を測量するように指導したが、履行されず。その後も再三に渡る指導を経ても、一向に改善が見込めないため、今回の行政処分に踏み切った。
昨年7月には廃棄物の搬入自粛も指導しているが、その後も搬入が確認されていたという。同社は県に対し、「測量に必要な人員が足りない。測量士との日程調整がつかない」などと弁解している。
県は年内に測量が行われない場合、改善命令義務違反として、許可の取り消しを含めた検討を行う。測量の結果、許可容量を超えていることがわかった場合は、別の処分場に埋め立てるなどの対応を求めるとしている。
業界関係者は「そもそも展開検査場は、外部から搬入される廃棄物に異常がないかチェックする場所であり、そこに廃棄物が溜まること自体おかしい話。残余量を超えているから、測量結果を示せないのではないか」と話す。
なお、同社は今年5月、無資格の従業員に重機を運転させ、別の従業員を負傷させた労働安全衛生法違反の疑いで、書類送検されている。
【東城 洋平】
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