山本太郎氏が玉木氏とのコラボや信用創造に言及~新潟
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れいわ新選組の山本太郎代表は22日、新潟市内で街頭記者会見を開き、国民民主党の玉木雄一郎代表との街頭コラボについて消費税5%を掲げることが実現の条件だとの考えを示すとともに、「財政危機」の誤解を解くため、借金がお金を生み出す信用貨幣論を解説した。
万代1丁目のラブラ2前で午後6時半から開かれた会見には、市民約200人が集まった。昼間の日差しで、寒さも緩んだ。
最初に、定年退職したという男性が、11月2日から配信されたインターネット『たまきチャンネル』で玉木氏が山本氏に「(家計第一・)全国ツアーでコラボできたら」と発言したことを取り上げ、「ぜひ実現してください。日本の貧困問題を周知するため、テレビで野党党首会談を1日ぶっ続けでやって」などと要望した。
山本氏は消費税の5%への引き下げで野党がまとまることを呼び掛けていることを挙げ、「その方向で早く決めていただければ、今回のツアーも一緒に回れる。一番重要なところがまだ決まらないのに、一緒にやり続けても意味がない」と消費税減税方針への同調を促した。
テレビ会談については、「残念ながら、決めるのはこっち側じゃない。テレビをつくる方」と述べる一方、政党要件を満たしながら討論番組に呼ばないNHKに言及。「数が多すぎてというのは、話にならない。公共放送の仕事じゃないか」と批判した。
消費税や「桜を見る会」、ビーガン(絶対菜食主義)についての質問の後、別の男性が「国の借金」について尋ねた。「テレビを見て消費税増税は仕方のないことだと思っていたが、うそだったと知った」とお金の仕組みについて解説を求めるとともに、最近、周りで2人が自殺したことを打ち明け、「間違えた政府がつくった貧困なんかで、生きることをあきらめないで」と訴えた。
山本氏は毎年2万人超が自殺、50万人超が自殺未遂する状況に触れ、「この地獄のような世の中をつくったのは政治」と向ける一方、「テレビにとっては企業が神様。メディアから知り得ないことの筆頭は、お金の在り方」と切り出した。
GDPを増やすには個人消費を喚起することが最重要だとして、消費税廃止で26兆円の財政出動と同じ効果が出ると主張。財源について「本当にお金がないのか。1000兆円の借金があり、国民1人あたり900兆円を背負っているって本当か」と問題提起した。
「誰かが銀行からお金を借りる際に、貸し出しというかたちで『銀行預金』が生まれる」と、信用貨幣論の原理を紹介。「借金をしないなら、お金が生まれてこない」と断じた。
「次のうち、お金をつくるのはどこでしょう。(1)財務省、(2)日本銀行、(3)民間銀行」とクイズを出す。「いずれも正解です」と、お金すなわち貨幣の8割強を占める(3)民間銀行による信用創造の仕組みを解説した。「銀行にお金を返すとその分、預金が消える。政府の借金を返したらどうなる。世界中からお金が消える」と、プライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化のばからしさを告発した。
「銀行は、人々から集めた預金を元手に貸し出しを行っているのではない。貸し出しによって、預金という貨幣が創造される」とのイングランド銀行の説明を引用。さらなる証拠として、10月23日の衆議院内閣委員会での自民党・安藤裕(あんどう・ひろし)議員と日銀企画局審議役・藤田研二氏とのやり取りを紹介した。
民間銀行から誰かが借金した分だけ預金総額が増え、返済すると預金が消滅するとの認識に日銀側が同意した後、安藤氏は国債発行にも同じことがいえることを確認。「国債が償還を迎えて発行残高が減少する場合、マネーの減少につながります」との答弁を引き出している。
山本氏は「政府が借金をして、そのお金をみんなに財政出動すれば、みんなにとってこれは赤字ではなく黒字」と述べ、日銀資金循環統計をグラフ化した「日本の政府と民間の収支バランス(1980−2016年度)」を提示。「国債を買うお金はみんなの預金から借りてるんじゃない。銀行は日銀にある日銀当座預金を使って国債を購入している」と強調した。
消費税廃止による税収減をすべて新規国債で賄ってもインフレ率はピークの3年目でも1.67%にしかならない一方、20年以上続くデフレで皆が貧乏にされていることを挙げ、「負の遺産とはこのこと。何、寝言を言っている」と政府の財政政策を批判。
「もっとお金を出さなあかん。お金を出さなかったばっかりに、この国に生きる57.7%が生活の苦しい状況に追いやられて。あまりにあり得ない。構造上の問題」と指摘し、メディアを通じて財務省に洗脳された国民に覚醒を求めた。
<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。関連キーワード
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