九州地銀の2020年3月期 第2四半期(中間期)決算を検証する (3)
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九州地銀18行のうち、東証一部および福証に上場しているのは、ふくおかFG、西日本FH、九州FGの3金融グループと大分銀行、宮崎銀行、佐賀銀行を加えて6社。
上場しているふくおかFGの傘下行は4行(福岡・熊本・親和・十八)。西日本FHは2行(西日本シティ・長崎)。九州FGは2行(肥後・鹿児島)。また山口FG傘下の北九州銀行を含め9行が東証一部上場の傘下行となっている。
福証に単独上場している銀行は第一地銀の筑邦銀行、第二地銀の福岡中央銀行、南日本銀行、宮崎太陽銀行、豊和銀行の計5行となっており、九州地銀で未上場は佐賀共栄銀行だけとなっている。
【表1】を見ていただきたい。東証一部上場の株価推移表である。
~この表から見えるもの~
◇西日本FHは11月6日(水)、トップで20年3月期の中間期 (9月期) 決算を発表。株価は843円だったが11月22日(金)の終値は844円で、発表日の株価を上回っている。
◇宮崎銀行と佐賀銀行は11月8日(金)に発表。宮崎銀行の株価は2,715円だったが、22日の株価は2,606円。発表日の株価より▲109円(▲4.01%)と値を下げている。
・また佐賀銀行も発表日の株価は1,629円だったが、22日の株価は1,628円とほぼ変わらず。
◇ふくおかFGと大分銀行は11月11日(月)に発表。ふくおかFGの株価は2,153円だったが、22日の株価は2,039円。発表日より▲114円(▲5.29%)。
・大分銀行の発表日の株価は3,040円だったが、22日の株価は2,827円。発表日より▲213円(▲21.3%)と大きく値を下げている。
◇最終の11月12日(火)に発表した九州FGの株価は455円だったが22日の株価は485円。
発表日より+30円(6.59%増)。
◇年初来高値と安値の平均値と22日の株価を比較すると、西日本FHは+9円。宮崎銀行は▲8円。佐賀銀行+160円。ふくおかFG▲148円。大分銀行▲399円。九州FG+48円。北九州銀行を傘下に置く山口FG▲140円となっている。20年3月期の中間(9月期)決算に対する投資家の判断が株価に表れていると推測される。【表2】を見ていただきたい。福証(単独)上場の株価推移表である。
~この表から見えるもの~
◇福証に単独上場している銀行は5行。筑邦銀行は第一地銀。残り4行の南日本、福岡中央、宮崎太陽、豊和銀行は第二地銀。筑邦銀行は1952年12月23日に設立された、いわゆる戦後地銀の1つ。第一地銀64行のうち、富山銀行(東証一部・名証2部)の次に規模が小さい。◇20年3月期の中間期 (9月期)決算の発表トップは筑邦銀行で11月7日(木)だった。
・週明け11日(月)は南日本銀行。最終の12日(火)は福岡中央、宮崎太陽、豊和銀行の3行と、未上場の佐賀共栄銀行の計4行が集中していた。これから推測できることは、第二地銀にとって、「鉛筆舐めなめ」の苦しい決算発表だったのではないだろうか。ちなみに、22日の株価が決算発表日より上昇したのは福岡中央だけで、宮崎太陽銀行と豊和銀行の株価は下落している。<まとめ>
【表3】を見てほしい。東証一部上場と福証単独上場銘柄の出来高推移表である。東証一部上場のFG・FHの出来高と宮崎、佐賀、大分銀行の出来高を比較すると大きな開きがあるのがわかる。
また福証単独上場の5銘柄とも商いがない日もあり、出来高も1万株を超えた日もない薄商いの銘柄となっている。この株価の動きは、経営統合を催促する相場と言っても過言ではないのではないだろうか。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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