3,000億円構想の大黒天物産(1)~マミーズ買収し九州に本格参戦
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大黒天物産がマミーズを買収し、九州市場に本格参戦してから1年。売上高3,000億円構想を掲げ全国展開を進める一環だ。ただ、低価格業態のデパート・九州での競争は激しい。
九州で勝ち抜くことが全国制覇のカギを握っていると言っても過言でない。大黒天の戦略を検証する。
JR博多駅にほど近いマミーズ美野島店。周辺はマンション、アパートの建て込む人口密集地で、住民の入れ替わりは激しい。車がぎりぎり通れる小路にあるマミーズ店は店舗面積150坪程度で、建物は古く、わずかな駐輪場があるだけで駐車場はない。
土曜の昼下がり、店内にはわずかな客がいるだけだった。大黒天のプライベートブランド「Dプライス」が導入されているが、売価は同社が独自に決めていると見え、数百離れたミスターマックス・セレクトより高い。
大黒天が継承したマミーズ22店には何の変哲もなく、店齢を重ねただけの店舗が多い。旧マミーズ時代は一部店舗のわずかな改装をしただけで、建替えもスクラップ&ビルドもしなかったため、老朽化も著しい。
昨年12月1日から新体制がスタートして1年。店舗はそのままで、品ぞろえもDプライスの導入を除くと変わっていない。ポイントカードもそのままだ。
大賀昭司社長が代表取締役、菊池和裕専務が代表取締役社長に就任したが、現場のトップに送り込む人材が手薄で、九州まで手が回らないというのが実情だろう。
福岡県魚市場が経営していた15年間、マミーズはわずかな営業黒字を短期間出しただけで最終損益は一度も黒字になったことはない。
大黒天のレギュラー店とは店舗面積も立地条件も異なる店舗をどう再生するのか、前途は多難と言わざるを得ない。
(つづく)
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