2024年12月24日( 火 )

「プロ経営者」原田泳幸氏は復活できるか~マクドナルドOBとタッグを組みタピオカ飲料チェーンのトップに(前)

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 日本マクドナルドホールディングス(HD)などの社長を歴任した「プロ経営者」の原田泳幸氏(70)が12月1日、タピオカ飲料大手ゴンチャジャパン(東京・渋谷)の会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した。ベネッセホールディングス(HD)を不本意なかたちで退任したため、完全燃焼できなかったようで、再度、挑戦することになる。原田氏は復活できるか。

ゴンチャを買収したファンドから送り込まれる

 なぜ、タピオカなのか。業界専門ニュースを読んで合点がいった。

 〈世界17ケ国で1100店舗の台湾ティーカフェ「ゴンチャ」を展開するゴンチャグループを、米国のプライベート・エクイティファンド、TAアソシエイツが買収した。伴い、日本法人、株式会社ゴンチャジャパンの代表として、元マクドナルドホールディングス株式会社の代表を務めた、原田泳幸氏が12月1日付で就任した。

 TAアソシエイツは、世界的にはティー市場はコーヒーよりも大きくなると読んでいる。スターバックスのティー版に育てたいようだ。

 原田氏はグループの経営幹部にも就任する。グループ会長に就任するピーター・ロッドウェル氏はマクドナルドでアジア太平洋・中近東での拡大に貢献した人物。マクドナルドOBチームで世界展開を牽引する〉(フードリンクニュース11月27日付)

 TAは、1968年に米国で創業以来、グローバルに投資活動をするPE(プライベイト・エクイティ)ファンド。ゴンチャは、世界に最も知られたティーブランドの1つとなっている。今回、TAが買収し、経営権を100%取得した。

 TAは、人的資源への投資を含め、ゴンチャグループ全体のグローバル展開を支援する。グループ会長にマクドナルドOBのロッドウェル氏を、日本法人のトップにマクドナルド出身の原田泳幸氏を起用。原田氏は、ゴンチャグループのグローバルシニアリーダーシップチームメンバーに就任。マクドナルドOBが台湾茶カフェのグローバル展開を加速させる。

タピオカミルクティーブームを持ち込んだ台湾茶カフェ

 「タピる」-。女子高生たちの間で流行っている「タピオカドリンクを飲む」ことを指す流行語だ。恒例の2019年の新語・流行語大賞のトップ10に選ばれ、日々、SNSなどでタピオカ情報を発信している「たぴりすと。」の2人が授賞式に登場した。

 タピオカとは、南米原産のキャッサバというイモから、でんぷんを抽出したもの。モチモチ食感が人気で、若い女性を中心に、タピオカミルクティーが大ブームになった。

 台湾発祥のタピオカ入りのミルクティーを日本に持ち込んだのが、今回、原田氏が会長兼社長兼CEOに就いたゴンチャグループの日本法人ゴンチャジャパンである。

 ゴンチャ(貢茶)は2006年に台湾南部の都市、高雄で創業した台湾茶のチェーン店。貢茶という店名にも表れているように、皇帝に献上するような品質のよいお茶を気軽に飲める店がコンセプト。17の国と地域で1100店舗以上を展開している。

 日本では2015年9月に東京・原宿表参道に1号店をオープンし、東京都市圏を中心に静岡、愛知、大阪、広島、福岡、沖縄で51店を展開。福岡では、福岡パルコ店と九州発の路面店、福岡大名店など計3店舗出店している。

 ゴンチャのライバルが「春水堂(チュンスイタン)。1983年に台湾で誕生。「タピオカミルクティー発祥の店」をうたっている。2013年に東京・代官山に1号店をオープン以来、主要都市に展開。福岡には、アミュプラザ博多店と天神地下街店がある。

 タピオカミルクティーは”バブルティー”と呼ばれ、これまでにもブームが起きたことがある。今回もブームは短命で終わる。それを見越して、タピオカミルクティーはトッピングの1つだ。

 ゴンチャは、タピオカ入りのミルクティーや、そのほかにもお茶の種類やトッピングを合わせれば2000種類以上のカスタマイズ(特別注文)ができる点が大人気の1つ理由に挙げられている。

(つづく)
【森村 和男】

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