2024年12月22日( 日 )

【政界インサイダー情報】新春「安倍・トランプ密約」と公募「RFP」と称する入札

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 皆さま、明けましておめでとうございます。

 今回は、全国で一番早く計画が具体的に進んでいるかのようにみえる大阪IRからおさらいして、次に横浜IRならびに長崎IR(一部和歌山IR)の今後の課題などを説明いたします。

 読者の皆さまには重ねてお伝えしていますが、もう一度、本件の基本的な仕組み(IR実施法案と施設施工令)を解説します。

 RFP応募要領の重要なポイントは下記の3つに絞られます。

 1つ目は、本件IR事業母体の設立計画(日本法人、後のコンソーシアム)です。とくに株主資本構成予定が重要で、中でも元本保証のない日本側の株主資本エクイティへの投資負担(300~600億円程度)です。これは各候補地への総投資額(1兆円~5,000億円)によりますが、現在具体的な企業名が出ている大阪IRの「オリックス」は宮内オーナーの出現で、すでに問題ないと思われます。多分、同社が上記投資負担額の大半を占め、残りを地元財界の関西電力、大阪ガスなどの企業が追随するかたちです。それぞれの企業規模を考えるとおそらく円滑に進むことでしょう!

 2つ目が、「MICE」と称する前述の施設施工令という安倍内閣下であえて大型化(地方外しと呼ばれている)し、具体的にその数値を示した政府"政令"です。これはすべての建物面積に占める、ホテル、展示会場、国際会議場等の各々の延床面積下限制限です。たとえば、展示場は東京ビッグサイトより大きな120,000m2以上の規模ですが、これも大都市で経済力があり、ほかの施設を含めても採算性に不安のない大阪と横浜は問題ないでしょう。

 3つ目が、米国トランプ大統領の大統領令によるファーウェイ問題に絡む「中華系」Melcoなどの海外カジノ投資企業外しです。秋元議員関連のオンラインカジノゲーム500ドットコム(中国企業)の件は皆さまご承知だと思います。その他自民党議員4人に現金を渡したと言っている状況下、本件IR誘致開発とその事業展開は、今後「AI」に代表される5G世界覇権戦略の"塊"です。安倍政権がこれに反して中華系のカジノ企業にライセンスを与えることは絶対にありません。

 また、日米同盟の安全保障が基軸となっているこの国で、これを認可することもありません。よって、今回の公募参加対象の中華系企業は最初から外れます。

 上記の状況(1、2、3)を考慮すると、残念ながら長崎IRには採算性も見出せず、まずチャンスはありません。今春、当地行政が始めるとされているRFPの受け付け時点から、これに応募する企業団体は皆無だと思われます。海外カジノ投資企業だけではRFPの応募条件にはならず、組織組成計画もできず、「本家本元HIS」の澤田氏が抜けた後、多額なエクイティ投資負担をする大手企業(サラリーマン企業)などはまったくありません。また地元財界企業だけでは無理があり、その経済力はありません。

 従って、以上の条件とポイントの根底は「安倍・トランプ密約」です。忖度だらけの政治家と官邸官僚がこれらをうまく尊重・アレンジし、作成したものです。要は、大手企業の下で、各地地元財界は必ずリスクを避けて1つにまとまるというこの国の"商慣習"をうまく利用し、さらに各施設を巨大規模に下限制限した大都市中心でしか実行できない偏った"政令"です。

 よって熾烈な競争などは起こり得ず、地元財界が一同に参加した1つの共同体でRFP実施前に落札者は決まってしまいます。これはすべてにおいて出来レースであり「茶番」です!法には触れないギリギリの制約を課した、「加計学園問題」に酷似した小利口で公平性などない姑息なやり方です。若いIR議連の政治家たちもこれを横目で見たうえでの当然の成り行きの結果であり、今回のスキャンダルです!

 以上のことから、長崎IR(RFP応募成立せず)と和歌山IR(大阪に近接で無謀)は別として、大阪IR(MGMで決まり)も横浜IR(Sand's . Sega summy で決まり)も、この「忖度公募 RFP」の時点から、これまで以上にマスコミから叩かれ、さらにスキャンダルが拡がっていくでしょう。

【青木 義彦】

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