定額動画配信サービス市場で「Netflix」と「ディズニー」が激突(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏
動画配信サービス時代の到来により、映画やドラマなどが、いつでも好きなときにパソコンやスマホで楽しめるようになり、全世界で利用者が増えている。
動画配信サービス市場はまだ成長を続けている段階で「Netflix」を筆頭に、「Amazonプライム・ビデオ」、大手メディアが出資をして合弁事業としてスタートした「Hulu」などが米国を中心に勢いを増している。
「Netflix」は全世界で1億5,000万人以上の有料会員を確保しており、会員9,000万人の「Amazonプライム・ビデオ」と会員3,000万人の「Hulu」などがネットフリックスの後を追いかけている。
Netflix社は、オリジナル作品の制作に多額の投資をするなど、視聴可能作品のタイトルを増やすことに力を入れている。なぜなら良質なコンテンツ確保が、この事業の勝敗を分けるからだ。
ところが動画配信サービス市場で、先頭を走るアメリカの「Netflix」に、強力なライバルが出現した。コンテンツ帝国と呼ばれているディズニーがオンラインコンテンツ配信するサービスに本格参入したのだ。
ディズニーは、これまでネットフリックスにコンテンツを提供し、ロイヤルティ収入をあげていたが、今後はネットフリックスにコンテンツを提供するのをやめ、コンテンツ配信事業の「Disney+」を開始した。「Disney+」では、このほか「ESPN+」と「Hulu(広告付き)」の計3つのコンテンツ配信サービスが視聴可能になるという。
月額費用は12.99ドルで、米国で最も利用率が高いネットフリックスのスタンダードプランと同じ価格となる。ディズニーだけでなく、通信会社である米国のAT&Tも、タイムワーナー社を買収し、コンテンツを確保すると同時に、オンライン配信のプラットフォーム事業に乗り出している。
コンテンツ事業は今までは放送局が中心になって事業が展開されてきたが、今後コンテンツ事業の市場環境に大きな変化が起きそうである。
それでは、今回は動画配信事業で先頭を走るNetflixが強力なライバルであるディズニーの出現でどうなっていくかを探ってみよう。
97年に米国で創業したNetflixは、世界初の宅配DVDレンタルで事業をスタートし、2007年に現在のビジネスモデルである動画配信サービスを開始した。ネットフリックスは毎年会員を増やし、すでにアメリカ国内外を合わせて1億5,000万人以上の会員を確保している。若者からの支持が高く、コンテンツのレコメンドサービスなども充実しており、シェアを伸ばしている。
Netflixはコンテンツ提供企業の離脱に備え、独自のオリジナルコンテンツ制作に力を入れ、3年間でオリジナルコンテンツの制作に60億ドルを費やし、さらに18年には120億ドルをコンテンツ制作に投資している。
(つづく)
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