筑邦銀行がSBIホールディングスと資本業務提携(後)
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【表1】を見ていただきたい。九州地銀(含むFG・FH)の1月17日の株価と、年初来安値(以下、安値)の株価との比較表である。
~この表から見えるもの~
九州地銀18行の内訳は、第一地銀11行、第二地銀は7行。
・第一地銀11行のうち、金融・グループ傘下行は福岡、西日本、北九州、親和、十八、肥後、鹿児島の7行。単独行は筑邦、佐賀、大分、宮崎の4行。
・第二地銀7行のうち、金融・グループ傘下行は長崎、熊本の2行。単独行は福岡中央、佐賀共栄、豊和、宮崎太陽、南日本の5行。
・東証一部上場の金融グループは4社(傘下行9行)で、単独行3行の計12行。福証単独上場は、第一地銀の筑邦、第二地銀の福岡中央、宮崎太陽、南日本、豊和の4行で計5行。佐賀共栄銀行だけが未上場となっている。
東証一部上場で、17日の株価が安値より大きく増加しているのは西日本FH。安値比+157円の786円で、増加率は24.96%。次が佐賀銀行で増加率は24.71%。
・九州FGの増加率は23.81%。最高値の496円に▲28円と迫っており、株価は順調に回復しているのが読み取れる。以下、ふくおかFG(18.34%増)。宮崎銀行(17.22%増)。ここまでが増加率10%以上となっている。
・安値より増加率が10%以下は北九州銀行を傘下に置く山口FGで7.57%増。大分銀行の増加率は0.61%と低い。他行の最安値は19年8月だったが、大分銀行は今年1月16日であり、当面、株価の動きに注意する必要があるようだ。
【表2】を見ていただきたい。九州地銀の純資産残高(連結)順位表である。
~この表から見えるもの~
SBIHDと資本業務提携した筑邦銀行の19年9月期の純資産は399億円。総資産は7,983億円。福証に単独上場している第二地銀4行と比較すると、純資産・総資産とも第3位であり、九州地銀18行のうち、16位のボリュームとなっている。
東証一部上場の単独行トップは大分銀行。19年9月期の純資産は2,088億円。総資産は3兆3,511億円。以下、宮崎銀行の純資産は1,524億円で、総資産は3兆1,378億円。佐賀銀行の純資産は1,206億円で、総資産は2兆4,605億円。3行の純資産は筑邦銀行の3倍以上のボリュームがあり、SBIHDと資本業務提携することはなく、地銀同士の経営統合を選択するものと推測される。
<まとめ>
筆者は昨年10月21日のNetIBNewsの記事、『これから加速する地銀の経営統合』のなかで、
日本の人口は前年比▲263,000人の1億2,644万人となっており、今後ますます減少が加速すると見られている。地銀は地域経済の縮小により、経営統合を急がないと生きていけない状況にある。九州地銀18行のうち、FG傘下行は9行で、単独は9行となっている。月刊誌の『選択』(2019.10)によると、金融庁が再編を強要する「地銀リスト」に、筑邦銀行、佐賀共栄銀行、佐賀銀行、大分銀行の4行の名が挙がっている。はたして、経営統合の手を上げるのはどこの銀行なのだろうか。
としていた。
金融庁が再編を強要する「地銀リスト」に、筑邦銀行、佐賀共栄銀行、佐賀銀行、大分銀行の4行の名が挙がっていると記述したが、筑邦銀行がSBIHDと資本業務提携を発表した。
今までSBIHDは第二地銀との資本業務提携だったが、第一地銀64行の最下位行とはいえ、今回、第一地銀の筑邦銀行と資本業務提携したことから、今後、SBIHDが掲げる地銀連合「第4のメガバンク構想」は、新たな金融ネットワークとして機能していくことになりそうだ。
(了)
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