フクシマ事故と新型肺炎と東京オリンピック
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。福島の原発事故を東京五輪の開催によって風化させるのは許されないと訴えた2月1日付の記事を紹介する。
1月23日執筆の『金利・為替・株価特報』1月27日号に内外株価下落の予測を記述した。予測通りの株価急落が生じている。
詳細はここに記述しないが金融市場の緊張感が高まっている。コロナウィルスによる新型肺炎の感染拡大が世界経済に重い影を与えている。日本経済も重大な影響を受ける。
安倍内閣は韓国敵視政策を推進し、韓国に対して嫌がらせと理解できる重要化学製品の輸出制限を実行した。徴用工の問題に関して韓国大法院が示した判断は国際人権法の進展を反映するもので、一概に国際法違反と言えないものである。日本政府の見解と異なるからと言って、自己の主張だけがすべてであるとする対応は大人げがない。
韓国の主張にも耳を傾けて日本の主張を示すという対応を示さなければ隣国との友好関係を維持することはできない。この問題と絡めて輸出制限をかけるのは経済外交の手法として正しくない。韓国の反発は強く、韓国からの訪日客が激減している。この状況下で新たに新型肺炎の感染拡大という問題が広がっている。
中国からの訪日客も激減している。1月末から2月初にかけては中国の春節に伴う休暇の時期にあたる。
新型肺炎の感染拡大がこの時期に重なり、中国旅行者の訪日大量キャンセルが発生している。日本からの中国旅行も激減する。日本の観光地においては海外からの訪問客の比重が高まっており、とりわけ中国、韓国の比重が高い。訪日客の激減により日本全国の観光地の売り上げ減少が予想される。
安倍内閣はフクシマ事故を風化させるために五輪を推進しているが、フクシマ事故はまったく収束していない。フクシマ原発事故が発生した2011年3月11日から、まもなく9年の時間が経過する。この事件が発生した2011年3月11日の夕刻、午後7時18分に原子力災害対策特別措置法に基づく「原子力緊急事態宣言」が発動された。フクシマ第一原発が全署停電(ステイションブラックアウト)に陥ったからだ。
この「原子力緊急事態宣言」は現在もまだ解除されていない。一般公衆の被ばく限度は法律によって年間1ミリシーベルトと定められている。累積被ばく線量が100ミリシーベルトに達すると、確率的に有意ながん死亡リスク上昇が確認されている。
100ミリシーベルトの被曝でがん死亡リスクが0.5%上昇するとされる。人口100万人で考えれば、がん死亡者が5,000人増加するということになる。
間被ばく上限を1ミリシーベルトとしているのは、このレベルの線量であれば100年間の累積線量で100ミリシーベルトに達するわけで、このことから一般公衆の年間被ばく上限が1ミリシーベルトとされている。ところが、安倍内閣はフクシマ原発事故被災者に年間20ミリシーベルトの被ばくを強制している。
年間線量20ミリシーベルト以下の地域は居住可能地として、被ばくを避けるために避難しても補償を行わないこととした。
※続きは2月1日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「原子力緊急事態宣言発動下での東京五輪」で。
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