2024年12月22日( 日 )

STOP感染症~新型コロナウイルス感染症対策についての緊急提言

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会見の様子

 STOP感染症2020戦略会議(座長:賀来満夫東北医科薬科大学特任教授、事務局:(一社)レジリエンスジャパン推進協議会)は2月10日、東京都内で、新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急提言を行った。

 中国武漢市に端を発した新型コロナウイルスの感染拡大は、中国本土の死者がすでに800人を超え、日本を含む多くの国々で感染者が発生する事態となっている。賀来氏は冒頭、「感染症はいわば“災害”。今回のクルーズ船での出来事は一種の“災害事例”と捉えている」と話し、「中国国内が新型コロナウイルス感染拡大にともない大きく混乱しているのを見ると、いま日本では国民1人ひとりが感染症について正しく理解するのと合わせ、各メディアが情報を正しく伝え、冷静に対応できるような準備が必要」と述べた。

 賀来氏は新型コロナウイルス感染症対策の緊急提言として、

⑴正しく恐れる
⑵ウイルスや菌の顔と性格を知る
⑶STOP感染「新生活習慣」をつくる
⑷最新の対策技術にも目を向け情報収集する
⑸喉元過ぎても熱さを忘れない
⑹新型肺炎以外の感染症にも目を向ける
⑺防災用品だけでなく、感染症対策用品も備蓄を

の7つを挙げ、「ウイルス感染は100%防ぐことはできない。いつでもどこでも起こり得るので、個々が感染を防ぐための手段を講じ、全体として感染拡大の可能性をいかに下げるかが重要」と話し、正しい知識の元で的確な行動を取り、感染拡大を防ぐことの重要性を説いた。

 今回の新型コロナウイルスについて賀来氏は、「まだワクチンが開発されていないため、何が有効かは現時点でははっきりと申し上げられない」と前置きしたうえで、「感染拡大は『飛沫(ひまつ)感染』や『接触感染』による可能性が考えられる。まずは感染経路を断つこと(ウイルスが体内に入らないようにすること)、そしてほかの人にうつさないようにすることが重要ではないか」と話した。そのための手段として、日頃からマスク着用や手洗い、うがいにより外からの感染を防ぐだけでなく、アルコール消毒や空気清浄機の活用による除菌や、免疫力を高める食品を摂取することを新たに習慣化することを推奨した。

 また、昨今あちこちでマスク不足が叫ばれていることについて、「日頃から備蓄しておけば品不足で困ることはない」と話し、日頃から感染症対策のための備蓄用品として、マスク、消毒剤、石鹸、口腔ケア用品、プロバイオティクス、ウェットティッシュや除菌クロスなどを備蓄しておくことを幅広く呼びかけた。

 賀来氏は、「現在アメリカではインフルエンザが猛威を振るっており、感染者数が2,200万人超、死者が12,000人を突破している。報道ではあまり触れられていないが、このことをどれだけの国民が認識しているか」と話し、新型コロナウイルス以外の感染症にも目を向ける必要性を述べた。そのうえで、「今夏開催される東京オリンピック・パラリンピックには多くの国や地域から人々が日本を訪れる。今世界では新型コロナウイルスやインフルエンザだけでなく、デング熱、麻疹、風疹など、多くの感染症が猛威を振るっていることを忘れてはならない。このことを認識したうえで、国を挙げての感染症対策が必要ではないだろうか」と話した。

会見終了後も、報道関係者による質問が相次いだ

 賀来氏によると、今回の新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための災害感染対策チームが本日結成され、早ければ明日2月11日、専門家が横浜港に停泊しているクルーズ船内に派遣され、感染症拡大防止策についての対応が行われるという。

 質疑応答では新型コロナウイルスに関する様々な質問が投げかけられる中、「感染症対策もそうだが、むしろSNSなどを通じて誤った情報を対して混乱を招くような事態に対する対応が必要ではないのか」という意見が挙げられた。報道する側にとっては、真に正しい情報、求められている情報を適切に発信する姿勢が求められる。

【長谷川 大輔】

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