2024年12月22日( 日 )

【政界インサイダー情報】大阪IRの日本側エクイティ参画は20社1,400億円

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 大阪IRの公募(RFP)申請の締め切りに際し、日本側エクイティ(株主資本)投資負担額が1,400億円であることが明らかになった。また、これに応募するのは関西地元財界企業の関西電力、大阪ガス、JR西日本に大手のパナソニックなど約20社である。

 事業総額が1兆円を超える開発規模の本件、エクイティの総額はいまだ不明だが、エクイティの半額にあたる1,400億円以上を、MGMとオリックスの2社で投資負担するとしている。よって、推測するに総投資額の10%以上が、この両者を除く日本側企業のエクイティ投資負担額である。この結果は、安倍政権による「出来レース戦略」が具体的に明らかになり、確定した証だ。

 何度も説明しているが、ポイントは、この地元財界企業のエクイティ投資参加者のビジネス業界慣習の「まとまり」である。関西電力、大阪ガスなどを含め、各々の海外カジノ投資企業に選択はわかれず、必ず1つの団体、いずれかの1社に集中し、これを地元経済界の皆で討議して決める。まさに、このやり方が、国の文化であり、商慣習で、ある意味、これは「社会主義的発想」といえよう!

 従って、大阪IRは最初からMGMであり、オリックス宮内氏も事前に承知したうえでの当然の成り行きである。日本独特のこの商慣習を十分認識し、作成された「カジノ実施法案」であり、賢く洗練された「安倍・トランプ密約」の官邸戦略だ。

 よって、最初からほかのカジノ投資企業は、この地元財界企業からの協力参加は受けられず、RFPへの応募で必須の地元経済界からの組織組成が成り立つはずはない。筆者は当初から「熾烈な競争」などあり得ない、と説明している。RFPなど茶番なのだ!

 既報の通り、長崎IRについて、この地元財界と日本側エクイティ投資負担が、来たる4月からの RFP受付開始に際しては必須条件で、巨額な投資約束を誰もせずでは、この組織組成は成り立つはずはないと指摘している。

 なぜなら、前述の大阪IRで日本側エクイティ投資負担額は総投資額の10%前後、長崎IRの総投資額告知は最小でも3,000億円強だから、以前から指摘しているように、同地では300億円以上の巨額な日本側エクイティ投資負担となる。しかし、地元経済界にその能力はなく、誰が中心人物なのか?HISは最初から逃げているというのに…。

 長崎のIR誘致促進関係者はこれを理解しているのか?当初から中心となり、積極的な姿勢を見せている元J R九州・石原氏にとって、口だけでは済まない環境になってきている。

 本件誘致開発は大阪という大都市圏だからこそ、日本側の巨額な投資条件に対応可能である。常に政治に翻弄される海外観光客頼みの佐世保という地方都市の計画案はリスキー過ぎて、これに投資参加する日本側企業は皆無だと当初から説明している。九州圏なら、巨大な後背地人口を有する福岡市都市圏にしか、可能性はないと100%確信している。

【青木 義彦】

関連記事