これからのカードは指紋センサー搭載カードに(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏
中国発の新型コロナウイルスは全世界に大きなショックを与えており、新型ウイルスのワクチンがない現在、さらなる感染拡大が心配されている。新型コロナウイルスは感染者と接触することによって感染するのが一般的だが、今回のコロナウイルスはほかの経路によって、感染される恐れもあるというので、注意喚起がされている。
中国国内の政府機関および企業は、入退室管理に指紋認証システムを導入している場合が多い。しかし、他人がタッチして、ウイルスが残っている状態で、そこを別の人がタッチすると、指紋認証システムが感染の温床になる恐れがあるとの指摘があり、注目されている。
とくに、官公庁の入退室管理には、ほとんどこのようなシステムが導入されており、感染危険性が指摘されている。中国の保険当局によると、今回のウイルスは適当な温度と湿度の条件下では、最大5日間、生存可能だという。
入退室管理の方法として、指紋認証システムに指紋をタッチする方法以外にカードを採用しているところも多い。しかし、出入りのためのカードは別の問題を抱えている。カードは落とすと、ほかの人に利用される恐れがある。この2つの問題を解決するべく、カードに指紋センサーを搭載し、指紋認証をする際、指紋認証システムに直接指紋をタッチせず、カードをかざすだけにする。また、このカードは本人以外の他人が拾っても、指紋認証をするので使えないというまったく新しい概念のカードだ。
そんな指紋センサー搭載カードを開発・販売している会社は、(株)BTBL(代表取締役李承晋)。同社は超音波指紋センサーおよび偽造指紋判別方法などに関する指紋関連の多数の特許を保有している会社だ。
現在の入退室管理システムを変更することなく、指紋を指紋認証システムに直にタッチする方法ではなく、指紋センサー搭載カードをかざすだけで、入退室管理を可能にしている。身分を確認するカードに指紋認証技術を追加し、出入りする際に、カードのセンサーをタッチしたまま、そのカードをシステムにかざす方法である。
既存の指紋認証システムは指紋がシステムに一括で保存されているため、ハッキングされると、すべての指紋情報がリスクに晒される。ところが、指紋センサー搭載カードは指紋情報がカードに入っているので、セキュリティーも強化されるという。
同社の李代表は、指紋センサー搭載カードは、見た目は既存のカードと同じように見えても、カードのなかに、CPU、電子回路、バッテリーなどが内蔵されており、 製造技術が要求されているという。とくにカードは銀行のATMに入れて使うことが多く、折り曲げテストにパスしないといけないが、同社のカードは1,000回以上の折り曲げテストに世界で初めてパスしたということも付け加えた。
今まで、このようなカードが商用化できなかった背景には、指紋センサーの厚みの問題があったが、同社は超薄型指紋センサーを開発し、この問題もクリアしたという。
(つづく)
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