2024年12月23日( 月 )

シリーズ・コロナ革命(15)~誰も統治できなかった1日、2020.3.9

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■疑心暗鬼が世界を駆けめぐる

 2020.3.9。机に座って仕事をしている勤労者たちは世界の激変に気づかずに平穏に時を過ごしている。だが、たとえばレストランの給仕たちは肌感覚で客のいない状況に接しながら「これはおかしい、異常なことが起きているぞ」と危機感を抱く。

 共稼ぎをしている母親たちは仕事の合間に「子どもたちが事故や事件に遭遇していないか」と心配する。この一斉休校に対して「安倍首相は庶民の暮らしの現実がまったくわからない能無しカボチャ」と批判し始めた。

 昼間に、上場企業の経営者と面談した。最近は株投資に熱心に打ち込んでいる。「リスクヘッジを上下10段階に設定している。最低は日経平均15,000円に置いているが、先ほどの暴落をみれば15,000円を超えることもあり得る」と不安な面持ち。テレビではしきりと「コロナショック」と言い続けていたが、これは「コロナ恐慌」という表現が的確であろう。

 この「コロナ恐慌」が2020.3.9に表面化したのである。この日は全世界の指導者たちが無策で慌てふためいて無策で終始した1日となった。明日は、3.11を迎える。2011年に東日本大震災が日本を襲った日。この時も日本経済は窮地に追い込まれた。今回の「コロナ恐慌」(2020.3.9)は全世界に波及する。国よって内戦も生じる恐れがある(後記)。日本、世界の仕組みが根幹から変わっていく。

 「コロナ恐慌」と表現したが、今回の「経済恐慌」は単にコロナウィルス蔓延が切っ掛けになったに過ぎない。カラカラの草原に油を注いで大火事になるような役割を担ったようなものだ。根本は2008年のリーマンショック以来、全世界で債務を積み上げてきたことにある。

 2019年11月段階で世界の公的部門、民間部門の債務は188兆ドル(約2京円)といわれている(世界の国内総生産=GDPの2.3倍)。全世界がよって立つ、この超債務依存の経済運営政策(金持ちたちが富む/貧富の格差拡大)に起因しているのだ。

■2020.3.9の相場から読む

 株価においては日経株価終値が2万円を割った。10日の相場では日銀が資金投入を図っているが、いずれは1.5万円まで落ちるのではないか。そうなると株投資の失敗者たちが金を使わなくなって消費が一段と縮んでいく。我々の切実な問題は年金資金の株投資で大赤字を抱えて支障をきたすことである。株暴落は他人事でなく我々、庶民すべてに関係することを忘れないで欲しい。

 ここからは皆さまの預金に関することである。この株暴落は必ず銀行倒産を招来する。巷では「預金封鎖」が囁かれる。第二地銀と付き合いのある方は警戒が必要であろう。第二地銀一行に預金1,000万円以上を預けることは即座に止めて預金を分散することだ(なぜそうしなくてはいけないのかという平和ボケの人には教えない。自分で調べてください)。

 ドル円価格は1ドル100円割れから95円まで円高になる。円高の弊害に関しては通常の指摘は輸出不振である。輸出に頼っている大企業の業績不振となり人員整理を強行する。円高は庶民の暮らしにとってメリットもある。だが、大企業の業績悪化は結果的には庶民にとってマイナスをもたらすことになる。

 国際的情勢が悪化させるのは原油価格。先物原油価格が1バーレル=28ドルを下回った。25ドルまでは下落するであろう。そうなるとサウジアラビア、ロシアに懸念がでてくる。サウジアラビアの原油売買収入が減少すれば3,500万人の民を満足させる資金が枯渇する。そうなると日常押さえつけられている民の不満が爆発する。王室内の部族闘争が表面化してしまう。

 ロシアの産業は軍事と原油・ガスの2つしかない。その大本の原油収入が減れば国民の面倒をみきれなくなる。水面下では「プーチンには飽きた」という国民の嫌悪感が溜まってきている。近々、必ず「プーチンおろし」の権力闘争が発生する。今はまだ、「コロナ恐慌」の玄関口に立っているに過ぎない。本格化すれば日本、世界の過去の仕組みの大変革が起きるであろう。

■2期四半期マイナス7%確定

 ここからが本題である。9日に政府が発表した10~12月の4半期の経済成長率(GDP)はマイナス7.1%になった。注目すべきは次の4半期(1~3月)のGDPの動きである。単なる肌感覚ではない、実際の売上状況を取材して回り、実績の聞き取りを行っている。「80%の売上ダウン」が珍しくないとレポートした。この傾向が少なくとも3月いっぱいは続く。

 そうなるとそこから弾き出されるのは次の4半期のGDPも7%を超えるマイナスが確定するということだ。こうなれば庶民も実感として暮らしがきつくなったと実感する。加えること非常事態の生活統制の強要に不満が充満しているところだ。「安倍首相は一体、やる気があるのか」から「世の中のことにまるでトンチンカンで能がない」という悪評価が高まってきた。

 安倍首相の脳中は「国民の暮らしのこと」に関してはまるでゼロ。あるのは「東京オリンピックで演説すること」のみ。

 後世に、いや総理を退任して僅か3カ月で庶民から語られる言葉は以下のものであろう。

(1)共稼ぎの家庭からは「子どもを育てた経験がないから家庭づくりに能がない」と叫ばれる。

(2)金融機関関係者からは「銀行を潰した極悪人」呼ばれるであろう。

(3)役人たちから「忖度していれば使いやすい総理、いやーすべてに無知」とこれは水面下で嘲笑されることになる。

(4)最後は「美しい日本を弱体させた首相」と評価を下される。

 結論。安倍さん!! 任期6年くらいで身を引くべきであった。

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