本日(16日)の日経平均株価~前日比▲429.01円の1万7,002.04円
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~新型コロナウイルスに対する金融市場の動き~
【表1】を見ていただきたい。13日のニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、前日比+1,985.00ドルの2万3,185ドル62セントと急反発して取引を終えている。上げ幅は過去最大。トランプ米大統領が国家非常事態を宣言したことで、新型コロナウイルス感染症対策の進展期待から買いが膨らんだ。
・しかし、週間では2,600ドル余り下落。前日の12日は、1987年の「ブラックマンデー」以来の大暴落となるなど、5日続けて1,000ドルを超えて乱高下している。
それを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)は15日(日本時間16日早朝)、1%の緊急追加利下げを決定したと発表した。新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化を防ぐため、主要政策金利を年0~0.25%とし、事実上のゼロ金利政策を導入する。ゼロ金利政策の導入は2015年末以来、4年3カ月ぶり。同時に市場に大量の資金が出回るようにする量的金融緩和政策の実施も決める異例の対応に踏み切った。
【表2】を見ていただきたい。日経平均株価の推移表である。
~この表から見えるもの~
日米欧などの中央銀行の協調行動を受けて、今日の日経平均株価(前場)は、乱高下を繰り返しながら、何とか前日比+79円86銭の1万7,567円46銭(0.78%増)で取引を終えている。
日銀は18~19日に予定していた金融政策決定会合を前倒して、今日16日正午から開催。決定会合を前倒しで開くのは初めてのことだという。決定内容は以下の通り。
・「上場投資信託(ETF)買い入れの年間目標額を現行の6兆円から『当面12兆円』に拡大する追加の金融緩和」を決めた。日銀の金融緩和はETFの買い入れ目標額を拡大した2016年7月以来約3年8カ月ぶり。
・年間900億円のペースで購入するとしてきた「不動産投資信託(J―REIT)」の購入額も当面1,800億円に倍増させる方針を決定。
・さらに社債と、企業が資金調達のために発行するコマーシャルペーパー(CP)などの追加購入枠を計2兆円設けることも決めた。
・新型コロナの感染拡大で打撃を受けた企業に融資する金融機関に対し、低利で資金を貸し出す枠を設け、中小企業への資金繰りを強化する。決定文で、「当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」と明記。一方、現在▲0・1%の短期金利の引き下げは、企業の資金繰りを支える地銀へ悪影響与えることが大きいため見送った。
この日銀の発表を受けて、日経平均株価は、一時300円を超えたものの、一転して大幅なマイナに転じた。結局、16日の日経平均株価は、前日比▲429円01銭の1万7,002円04銭(▲2.46%)と大きく下げて今日の取引を終えている。
・ドル円相場は1ドル106円36銭(15時50分現在)
【表3】を見ていただきたい。九州地銀7行(含むFG・FH)の株価推移表である。
~この表から見えるもの~
九州地銀の株価は全7行が上昇した。増減順位は以下の通りとなっている。
(1)西日本FHは前日比+27円の519円(5.49%増)。
(2)宮崎銀行は前日比+63円の1,821円(3.58%増)。
(3)佐賀銀行は前日比+22円の939円(2.40%増)。
(4)九州FGは前日比+7円の320円(2.24%増)。
(5)大分銀行は前日比+33円の1,632円(2.06%増)。
(6)北九州銀行を傘下に置く山口FGは前日比+7円の469円(1.52%増)。
(7)ふくおかFGは前日比▲5円の1,288円(▲0.39%)。<まとめ>
コロナショックの影響は大きく、日銀の決定内容が発表されたものの、日経平均株価は大幅な下げとなった。はたして、明日以降、日経平均株価および九州地銀の株価はどのように推移するのだろうか。
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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