2024年11月22日( 金 )

【緊急寄稿】混乱のライオンズクラブ“337-A地区”~次期ガバナー選迫る~問われる投票権利者の「良心」

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 世界最大級の奉仕団体として著名なライオンズクラブ(LC)。LCは、『We serve』─「ボランティアに社会奉仕の手段を与え、人道的ニーズを満たし、平和と国際理解を育む」という使命声明文を発し、「地域社会と人道奉仕におけるグローバル・リーダーを目指す」と、活動に対するビジョンを掲げている。それらの声明やビジョンと真逆の行動・言動がまかりとおり、専横化される危機に立たされているLC337-A地区。将来のガバナーが決まる同地区の選挙が、5月16日に開催される。今回は「正しい将来のガバナー」が選ばれてほしいとの思いから緊急寄稿する。

立候補は2名

 LC337-A地区は毎期4月中旬に『年次大会』が開催され、その大会で次期ガバナー、第一地区副地区ガバナー、第二副地区ガバナーが選出される。ガバナーと第一副地区ガバナーは、すでに人選されており(それぞれ第一、第二副地区ガバナーが繰り上げで就任することが慣例。それぞれの信任・不信任を投じる)、実際選挙が行われるのは、次期第二副地区ガバナーの人選である。今年は、新型コロナウイルス蔓延の影響により、同地区66回目『年次大会』は中止となり、地区内の5つのリジョン(R)ごとで指定された会場で、投票のみ実施されることとなった。投票の権利がある代議員は493名で、5月16日午前10時から正午にかけて行われる。

 今回、動向が注目されているのが、前述の第二副地区ガバナー選挙。2名が立候補しており、両名をA氏・B氏とする。

“両極”の人物像

 A氏は、LCに入会して17年目を迎える。地区キャビネット幹事、Rのリジョンチェアパーソン(RC)など要職を歴任している。また、LC内にて数々の顕彰を受けるなど、“輝かしい”LCでの「実績」を有している。そのA氏は、今回の第二副地区ガバナー選挙でのモットー(公約)について、『奉仕ファースト!!(1)公金預かりの精神(2)奉仕にスポット(3)未来の担い手育成』を掲げている。A氏を推薦する方々は一様に、「常に実直に取り組み、リーダーの素養がある」「LCでの豊富な経験と実績があり、そして誠実である」「時間を惜しまず献身的に取り組み、正義感あふれ、行動力がある」と将来の同地区のガバナーにふさわしい人物であることを述べている。

 B氏は、LC入会から25年目に入っている。所属クラブにおいて会計、幹事、会長に就き、R内のゾーンチェアパーソン(ZC)、地区のPR・IT関連の委員長を歴任。A氏同様LCでの顕彰も受けており、LC入会から25年目のベテランメンバーとして、自社経営とともに精力的に活動を続けている。B氏の公約は、『LCの未来のために!!(1)検証と改革─原点回帰・温故知新(2)災害時対応力の強化(3)活動の可視化─外部への広報活動を強化する』という内容である。A氏と比べると、大々的な選挙活動を行っていない模様だ。それでもB氏の推薦者は、「B氏は、RやZを越えての仲間がたくさんいます。キャビネットの要職を歴任した訳でもないB氏になぜ多くの仲間がいるのか?それは、B氏の『お人柄』です」としている。A・B氏は、お互い“両極”の存在であることは明白である。

一致団結=職権濫用、強権発動?

 2名の「熱きおもい」がつづられたパンフレットを熟読した結果、B氏については、特筆すべきことはなかった。一方、A氏の述べるメッセージについて疑念が生じた。A氏の定義する一致団結についてだ。「(前項略)私の所属するクラブでは、色々な決め事や役割人事を含め、執行部一任、会長一任が、時としてあります。これは決して、無責任で議論しないのではありません。議論を重ねて意見を述べ合い、その後、最終判断はその役目、権限がある方に一任し、決定事項にはしっかり協力する。その考えのもとに、決まったことに批判せず一致団結をするというものです」と明示されている。一見したところ、A氏による相当な覚悟の現れとも見られるが、Aの手法である「組織の専横化を認めろ!」という表明にもとれる。過去A氏は、RCを決定するにあたり、職権を利用し、強引にA氏側に反目する候補者を排除。さらに、その候補者の所属クラブを「異常だ!」と誹謗中傷する(証言・証拠あり)など、同地区を独占するために裏で工作し続けていた。これが、A氏の「一致団結」についての定義だろうか?

公金預かりの精神と国際理事への虚言?

 もうひとつは、A氏の“公金預かりの精神”だ。なぜA氏は、あえてセンシティブな事象を前面に出したのか?2017年10月1日付で発刊された同地区の会報誌でA氏の『人となり』と題するコラムにて、「いつでもオープンにできるお金の使い方が大事─(中略)キャビネット幹事として一番の心構えは、皆さまからの公金を預かっている感覚。どんな事業をするにしても収支を明らかにし、オープンにできるお金の使い方が大事」と堂々と明言している。これをA氏が一貫して実践しているのなら、誰よりも「カネについての倫理観」が優れていると言えるのだが…。

 2017年(平成29年)7月5日から6日にかけて発生した「平成29年7月九州北部豪雨」。甚大な災害に対し、同地区も即時に対応し、支援活動を実施した。支援活動のひとつとして朝倉市の朝倉市立松末(ますえ)小学校(2018年3月廃校)体育館への床工事を寄贈した(詳細についてはNet IB NEWS「美談の裏で─ライオンズクラブ337-A地区と朝倉災害支援」で)。

 災害発生後の9月7日にLC国際財団(LCIF)のボブ・コーリュー理事長が、朝倉市を訪問し、被災地を視察した。その際、同地区出身の元国際理事同行のもと、ボブ理事長が「LCとして精一杯応援いたします」と全面支援を約束した。

2017年9月7日 朝倉を視察する
LCIF ボブ・コーリュー理事長

 LCIFからの全面支援が決定したことで、前述の同校体育館床工事の施工代金の支援を進めることとなった。支援の意義は、「小学校最後の卒業式を体育館でやってあげたい。そして廃校後は、コミュニティセンターとして体育館を活用する」というもの。しかし、当時の同地区災害対策本部は、LCIFからの支援を断り、同地区の財源から施工代金を拠出した。一方で前出の元国際理事は、「なぜLCIF基金の支援を断るのか?」と不可解だったため、18年11月にLC337-A337地区複合(MD)で開催された『九州北部豪雨災害復興委員会』で、災害対策本部の実行委員長に対して、「コミュニティセンター事業(松末小学校復旧工事)について、LCIF理事長は申請されたら対応できるとのことだが、なぜ申し込まなかったのか?」と質問したところ、実行委員長は、「3月に窓口の国際理事(当時)に確認したところ、“LCIFの利用は難しい”とのことだったので申し込みしなかった」と回答した。

 上記について、その国際理事に確認したところ、「私は、そのような回答を行ったことはない。また、そのような問い合わせはなかった。むしろLCIFを活用すべきだったと考える」と述べた。その実行委員長とは、今回の第二副地区ガバナー選挙候補者のA氏である。同地区出身の元国際理事は、「当時の実行委員長にうそをつかれた。非常に残念だ」というコメントを寄せている。

 さらに、同校体育館改修工事は、朝倉市の建設会社が施工したのだが、その会社の“会長”と当時の市長は親しい間柄で、約2,000万円の工事コストのうち、1,700万円は同地区キャビネットからの支援、残りの300万円を朝倉市と随意契約という分離したスキームを作っている。なお、前出の施工した企業の該当する期の工事履歴書には記載されていなかった。1,700万円を下回る工事履歴は記載されていたにも関わらず、“不可解”だと言わざるをえない。

 「朝倉市長(当時)・当該の施工会社、そして同地区災害対策本部のトップと実行委員長など、一部上層メンバー(当時)が、“支援”を隠れ蓑にして、私利私欲に走ったのではないか?」という情報も関係者から寄せられている。そのほか朝倉への支援では、東峰村にある復旧のめどがたたない駅舎改修工事1,000万円、朝倉LCへ1,750万円を拠出した経緯が不透明だとされる。

 これが、A氏の主張する「公金預かりの精神」か?公金であるから堂々とご説明いただきたい。以上、一連の件で、実行委員長=A氏、施工会社「会長」へ数度に渡り質問状や電話連絡、訪問などで取材を試みたが、有効な回答は寄せられなかった。なお、同工事の件については、朝倉市側から住民監査請求を実施されている。

493名代議員の良心に期待する

 以上、次期ガバナー候補について述べた。はっきりと言おう。A氏のような人物が、同地区の将来のガバナーに相応しいかどうか?もう回答は出ている。『一致団結、公金預かりの精神?』─「ばかも休み休みに言え!」、A氏が虚言と虚飾で築いたLCの実績は正しいのか?
 5月16日同地区493名代議員による「良心の一票」に期待したい。

【河原 清明】

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