【コロナに負けない(35)】テイクアウトの現場で感じる、仕事ができる喜び
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飲食店の多くが長期間の休業を余儀なくされるなか、少しでも売り上げにつなげたいとテイクアウトを始める店が増えている。
テイクアウトのメニューを用意したり、店の前にテーブルを置いて弁当やオードブルなどを販売している。店を閉めると売り上げが立たない。国や自治体も休業する店や会社を支援する制度を設けるなど対策を講じてはいるものの、それだけで損失を補えるわけでもない。経営者としては、少しでも売り上げがほしいところだ。
昼食時となっても街中を歩く人の数は、緊急事態宣言発出前に比べると激減しているため、販売に苦労している様子がうかがえる。日頃から顧客との関係性が強い店は、SNSなどを活用して集客につなげている。ネット上でも店を応援する動きが出てきており、テイクアウト需要の掘り起こしに一役買っているようだ。
実際にテイクアウトで販売している店を訪れてみると、オーナーや従業員の顔が生き生きとしているのが印象的だった。お客がきてくれる喜び、売れる喜び、自分たちを応援してくれる存在のありがたさを感じられる喜びなどが表情や動きに表れている。そして、何よりも「仕事ができる喜び」を感じている様子が伝わってくる。
新型コロナウイルス問題で、さまざまな業界が自粛し、経済が縮小するなか、テイクアウトだけでなく、店内の掃除や消毒の徹底、通販やSNSの活用など、それぞれが今できることを模索している。危機的な状況だからと動きを止めて嵐が過ぎるのをじっと待つのではなく、できることを考え、動く工夫が求められているようだ。
【宇野 秀史】
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