2024年12月22日( 日 )

パンデミックとなった新型コロナウィルスの破壊力:トランプ大統領も危うい(後編)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年4月3日付の記事を紹介する。

 一方、同じヨーロッパでも日本と同じ島国のイギリスも大変な状況に陥っている。イギリスのジョンソン首相は「英国版トランプ」と呼ばれるが、3人目の奥さんとの間に子供ができたという。その点でもトランプ大統領と張り合っていることは間違いない。ダウニング街10番地の首相官邸に未婚の相手と同居するという前代未聞ぶりだった。しかし、妊娠が判明し、二番目の夫人との離婚調停も終わったため、ようやく晴れて正式に結婚となるようだ。

 しかし、めでたいことばかりではないのが今のイギリスだ。何しろ、あの無敵のジェームズ・ボンドの『007』が立ち往生してしまっているくらいだから。初の日系人監督ジョージ・フクナガの下での脚本の書き直し、撮影と編集に時間がかかり、4年ぶりの新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」がようやく完成したにもかかわらず、公開上映の目途がたたない。その理由はCOVID-19の蔓延だ。イギリス政府は5,000人以上の集会を禁止した。

 実は、4月に予定されていた映画『007』シリーズ最新作の北京でのプレミアム上映も中止となった。ボンド役のダニエル・クレイグにとっては5作目となるのだが、彼が主役を演じるのは最後になるといわれている。最後の強面ボンドということで、中国でのプレミアム上映にはクレイグ本人はもちろん主要キャストが勢揃いし、中国主要都市を回る予定だった。すべてがキャンセルというわけだ。

 当初4月3日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで予定されていたプレミアム上映会であったが、ジェームズ・ボンドのファンクラブ「MI6-HQ」は「夏以降への延期」を申し入れた。その理由は「ファンの健康と安全を最優先すべき」というもの。また、ハリウッドを抱えるカリフォルニア州やエンターテインメントの中心地ニューヨーク州での感染拡大を受け、アメリカでの『007』の公開も11月に延期が決まった。日本での公開時期も未定である。

 いずれにせよ、イギリスではスコットランドを含めて、感染が拡大を続けており、ジョンソン首相の指揮の下、医療と安全保障の専門家で構成する緊急事態対応の「ウォールーム」が設置された。その背景には保健省がまとめた「COVID-19:理性的な最悪のシナリオ」と題する衝撃的な内容の報告書がある。それによれば、「最悪の場合、イギリス国民の8割が感染し、国民50万人が死亡する」というから驚く。「大半の感染者は軽症で終わるだろうが、致死率は3%程度が想定される」。

 「感染は雪だるま式に拡大する可能性があり、現時点は初期段階に過ぎず、今後2、3カ月以内に爆発的に広まる恐れがある」とのこと。そのため、保健省は「全国11カ所の指定病院と100カ所の診療所で万単位の検体採取を行い、感染拡大の予防に努める」とも表明。

※続きは4月3日のメルマガ版「パンデミックとなった新型コロナウィルスの破壊力:トランプ大統領も危うい(後編)」で。


著者:浜田和幸
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(前編)

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