スーパーゼネコン決算好調も受注は減少傾向 コロナ影響も不透明
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清水建設は25日、延期していた2020年3月期の決算発表を行った。同期は売上高1兆6,982億円、経常利益1,379億円を計上。国内工事の採算改善、開発物件の売却により増収増益となった。最終利益は固定資産(都内の土地)の減損などにより減益となった。同期は(仮称)旧大名小学校跡地活用事業の受注などから、受注高(個別)は建築事業が9,077億円(4,342億円減)、土木事業が2,869億円(8億円減)、合計1兆2,744億円。繰越工事には、森ビルが主体となって開発をすすめている「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」などがある。
新型コロナウイルス感染症については、「建設事業においては、感染防止対策にともなう建設コストの増加や工期遅延などによる工事損益の悪化、不動産市況・設備投資動向等の外部環境の変化による受注高の減少などが懸念される」といい、今期の業績予想については現時点で合理的に予想することが困難なため、未定とした。大成建設は、売上高1兆7,513億円、経常利益1,733億円を計上。増収増益をはたしたが、受注高は減少し、今期の受注は1兆5,400億円(1,401億円減)の減少予想とした。コロナ禍の影響により、計画の取りやめや発注時期の延長、全般的な投資抑制などから、今期の売上高は1兆4,500億円(3,013億円減)、経常利益は840億円(893億円減)を予想している。今期は中期経営計画の最終年度だが、同社は数値目標を下回るとみている。
鹿島建設は、売上高2兆107億円、経常利益1,466億円を計上。土木事業の粗利率低下や販管費の増加などから増収減益となった。同期の受注高は1兆7,528億円(2,573億円減)、今期の受注高は1兆8,000億円を予想している。コロナ禍の影響が一部あるほか、海外において現場閉鎖による経費増加などから今期の売上高は、1兆8,700億円(1,407億円減)、経常利益は1,180億円(286億円減)を予想している。
大林組は、売上高2兆730億円、経常利益1,590億円を計上。建築工事の完工高が増加した反面、粗利の減少により増収減益となった。同期の受注高は建築事業や海外土木事業の増加により、2兆1,497億円(2,760億円増)となった。今期の業績については、コロナ禍の影響を算定することが現時点では困難であることから、未定とした。
竹中工務店の19年12月期決算は、売上高1兆3,520億円、経常利益895億円を計上。販管費の増加により減収減益となった。同期の受注高は1兆4,191億円(2,130億円増)、今期は売上高1兆3,550億円(30億円減)、経常利益760億円(135億円減)を予想している。
【永上 隼人】
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