2024年11月22日( 金 )

【政界インサイダー情報】いよいよ、アベノミクスの目玉IR誘致開発も危険水域

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 誰も予想もしなかった、今回の世界的なコロナ感染拡散問題で、この危機管理に対応できず、傷だらけになっている今の政府、強かった筈の安倍一強政権。その"アベノミクス三本の矢"成長戦略の目玉であったIRの誘致開発事業(全国に3カ所)の成否が近く大詰めを迎える。

 先ず、今月17日までの今国会に提出予定であったIR基本方針(約300項目と言われている詳細な基本条件)が間に合わず、大阪も含めた各候補地行政と投資する側の海外カジノ企業の双方がそれぞれに戸惑っている。設立済みの担当部署"カジノ管理委員会"はこのいわば戦時下で動くことができず、閑古鳥状態である!

 これは、本来、今年1月のカジノ管理委員会の設立後に彼らにより準備作成され国会に提出される予定であったが、皆さんご存知の秋元司衆議院議員(中華系ジャンケット500.comなど)の不祥事により、その機を逸し、延期され現在に至っている。

 さらに、重ねてお伝えしている各候補地からのIR申請受付、締切期日の期間延長(2021年1月受付7月末締切)を、この戦時環境下であるにも拘わらず、この政権はいまだ変更せず、これを実行していない。しかし、事実上は、今回の諸々の不手際による急激な支持率低下で、これを実行しようにもできないのである。この戦時下に於けるIR関連の議案提出は、この政権にとってパンドラの箱を開けるようなものだ!

 従って、大阪IRのMGM・オリックスの共同事業予定母体(コンソーシアムの組織組成)以外の、横浜IR、和歌山IR、長崎IRの各行政は、やむを得ず、この来年の申請締切期日に無理矢理合わせて作業をするしかなく、それぞれ僅かな短期の準備作業延長(RFC.RFP)をすでに公言している。何処も、国への申請準備作業にはせめて1年の猶予は必須条件、ゆえに、このコロナ戦時下、誘致開発事業はそれぞれ"机上の空論"になりつつある。また世界的な各海外カジノ投資企業の施設は、ほぼすべてに閉鎖状態で、これも現状一切動くことができない!

 筆者は、本件の最初からお伝えしているが、これは"安倍・Trump密約"により、実行してきたもので、トランプ大統領のファミリー、大口献金者であるLas Vegas Sands、Caesar's、Wynnと準ファミリーのMGMなど各米国カジノ企業に貢献することが最大の目的であり、その他の中華系を含む企業には当初から関心はなく、彼らにはチャンスはないのである。

 よって、現戦時下、瀕死状態の安倍政権は、この期におよんでもこの受付締切期間の変更はできず、もう全国に3カ所ではなく、大阪MGMとオリックスの1カ所でも良いとすでに判断しているのではないかと思慮する。
 ご存知の通り、トランプ大統領筆頭のLas Vegas Sandsのアデルソン氏は先日"安倍政権を見限り"横浜IRから撤退、この国に興味はないと公言している。Wynnも同様で、Caesar'sは昨年早々に撤退しているのである。

 昨年の北海道鈴木知事によるIR撤退宣言で、Hard RockやMoheganなどすべての米国カジノ企業は大阪を除いて1社も居なくなってしまった。これも安倍政権にとって"見限られた"結果であり、ファーウェイ問題に香港問題、WHO問題などで米中の覇権争いが激化するなか、横浜IR以下の和歌山、長崎IRには中華系しか残っていない。重ねて説明するが、これらの中華系に一切の可能性はなく安全保障の角度からもあり得ないことである。

 筆者は、当初から言っているが、本件IR誘致開発事業は、このコロナ感染拡散問題の収束後には、疲弊したこの国の経済再生のすばらしい目玉プロジェクトとなり得る。ゆえに、いまだ隠れた、当地福岡大都市圏も含め、限られた後背地人口を有する候補地が新たな米国カジノ企業との連携により、突然出て来るような可能性を強く感じている。そんな気がする今の心境である!

【青木 義彦】

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