医療用ガウンなどの支援物資を福大病院に寄贈～福岡在住の台湾人企業経営者

　福岡在住の台湾人企業経営者らが医療用ガウン（150枚）、フェイスシールド（100枚）、アイガード（50個）などの支援物資を福岡大学病院に寄贈した。6月5日に福大病院院との間で贈呈式が行われ、衆議院議員・鬼木誠氏、台北駐福岡経済文化交流弁事処総領事・陳忠正氏、福大病院事務長・岳弘司氏、台湾政府僑務委員・海澤州氏が出席し、挨拶を行った。

　今回、日本の医療現場における上記医療物資の不足を伝え聞いた新義豊（株）（福岡市博多区）社長・林紀全氏、林奕維氏（以前福岡市に在住）ら日本在住の台湾人が支援物資を台湾で調達し、台北駐福岡経済文化交流弁事処の協力を得て福大病院に寄贈した。台湾は新型コロナウイルスの発生以降、マスクの実名購入制など医療物資の販売・輸出規制を行っていたが、6月1日から規制を緩和している。

　岳事務長によると、今回寄贈された物資のなかで、とくにガウンは使い勝手がよいという。福大病院は新型コロナウイルス患者のなかでも特に重症者を受け入れている。重傷者は軽症・中等症の患者に比べ、3～4倍人手がかかるということもあり、支援物資の寄贈は「非常にありがたい」としている。福大病院が海外から医療物資の寄贈を受けるのは今回が初めてだという。

　林社長によると、今回の支援物資の購入額は約50万円とのこと。ただ、今回のように支援物資の日本への輸出が非営利目的の寄贈であっても、日本での受け取りに際して関税が発生する。鬼木議員は、この寄贈目的の医療物資に対しても輸入関税が課せられることについて、「国会でも取り上げられれば」と述べる。

　なお、今回の寄贈は、鬼木議員が4月15、16日に自身のフェイスブックに医療機関における医療物資不足などの困窮状況を書き込み、それを陳総領事の夫人が見て総領事に支援を提案したことがきっかけとなっている。なお、先月も鬼木議員、台北駐福岡経済文化交流弁事処の働きかけにより、台湾から福岡県、福岡県医師会、九州大学病院にマスクなどが寄贈されている。

【茅野　雅弘】