2024年12月23日( 月 )

2020年度の九州経済は5.7%のマイナス成長か~九州経済調査協会が見通しを改訂

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 新型コロナウイルスの感染拡大は、九州経済にどのような影響をおよぼしているのか。先日、(公財)九州経済調査協会(以下、九経調)が、2020年度の九州(沖縄含む8県)の経済見通しの改訂版を発表した。

九州の域内総生産は前年度比5.7%減に

 九経調は、20年度の九州の域内総生産(GRP)の実質成長率を前年度比5.7%減(2.8兆円の減少)と予測する。この落ち込みは、08~09年度のリーマン・ショックを上回るという。もともと同協会が昨年12月に発表していた見通しは前年度比0.9%増であり、新型コロナの影響により、6.6ポイント下方修正したことになる。

 全国と比べた場合はどうか。全国の見通しは、当初は前年度比0.6%増であったが、改訂後の見通しは5.2%減であり、5.8ポイント下方修正されている(いずれも同協会ではなく民間シンクタンクの予測値平均)。九経調は、九州の落ち込み幅が全国よりも大きいことについて、外需縮小にともなう輸出減、インバウンド消費の大幅減が多大に影響していると分析する。なお、コロナ禍では、大都市における内需縮小という側面が強く現れているが、九州の内需の落ち込みは全国より少ない見込みという。

九州の宿泊状況は全国より改善傾向

 また、「九経調DATASALAD」のデータに基づき、4~5月の宿泊稼働指数を発表した。九州の宿泊稼働指数は、6.2ポイント(4月)から12.2ポイント(5月)と6.0ポイント上昇した。同期間の全国の同指数は5.8ポイント(4月)から10.1ポイント(5月)と4.3ポイント上昇であり、九州は指数、改善幅いずれにおいても全国を上回った。

 九経調によると、三大都市圏、地方中枢都市よりもほかの地方圏の改善幅が大きく、また、沖縄など観光目的の訪問客が多い地域の指数は、低い傾向にあるという。

 九州地域の5月の指数をみると、沖縄(5.8ポイント)が全国最下位、福岡(8.1ポイント)が全国で4番目に低い水準であった。他方、長崎(17.4ポイント)、大分(16.4ポイント)、鹿児島(16.1ポイント)などは全国でみても比較的指数が高く、かつ宿泊需要の回復が早いようだ。

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