中国東北部と北朝鮮で活発化する火山活動:富士山の噴火も(4)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年7月10日付の記事を紹介する。
科学技術が進歩し、東京工業大学と京都大学では人工知能(AI)を駆使した火山噴火を予測する研究を進めているが、自然界の動きを正確に見極めるにはまだまだ時間がかかりそうだ。残念ながら、自然界の怒りのような地殻変動を沈静化させる手立ては人知では計り知ることのできないものかもしれない。とはいえ、歴史から学ばなければ未来はないだろう。地震や火山の噴火は必ず繰り返し起きているわけで、その対策を怠るわけにはいかない。
その点、アメリカのコロラド大学とモンタナ大学の地震専門家チームは2017年10月に衝撃的な研究報告を公表した。彼らは過去30年の世界の地震のデータを分析し、地震の発生と地球の自転との関連性を明らかにしたのである。それによれば、地球の自転速度が緩やかになると、赤道一帯での収縮が起き、その影響で地下のプレートが圧縮され、巨大な地震を誘発するとのこと。
この専門家チームはアメリカの政府機関である地質学調査局とも連携し、研究を進めている。彼らがまとめた報告書には「2018年には2017年と比較し、マグニチュード7.0以上の巨大地震が倍近く発生する」と明記されていた。「その時期と場所を正確に告知することは気象予報と比べてはるかに難しく、不用意なパニックを起こすことは避けねばならない」とただし書きをしたうえで、「いつどこで地震が発生してもおかしくない状態にあること」を念頭に、避難訓練の実施と食糧や水の備蓄を薦めているのである。
アメリカ西海岸はまさに「リング・オブ・ファイア」の上に乗っているため、常に地震とは切っても切れない環境にある。カリフォルニアではこれまでも大きな地震が数多く記録されている。2012年には「シェイクアラート」と呼ばれる地震警報システムも開発され、各地に設置が進んでいる。計画では1,675カ所に警報装置が稼働することになっているが、現時点ではまだ目標に到達していないようだ。
もちろん、現在の警報システムでも高速鉄道は減速し、ガスのパイプラインは自動的に停止するとか、高層ビルのエレベーターも最寄りの階でドアが開くよう設定されている。また、病院では手術の中断が想定されている。ところが、トランプ政権になってから、こうした地震警戒システムの設置に関する予算が減額され、工事もストップさせられてしまった。地元の下院議員らが猛反発し、予算の削減は最小限に食い止められたようだが、史上最悪とまで言われたカリフォルニアの山火事への冷たい対応に加えて、自然災害への備えという分野でもトランプ大統領は物議を醸している。何か隠された意図があるのだろうか。
※続きは7月10日のメルマガ版「中国東北部と北朝鮮で活発化する火山活動:富士山の噴火も(4)」で。
著者:浜田和幸
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