史上最悪の経済情勢下で進むアメリカの大統領選挙(後)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年8月14日付の記事を紹介する。
トランプ大統領の期待に反して、このテレビ対決にもコロナの影響で変化が起きそうな雲行きである。何かといえば、挑戦する側のバイデン陣営では「コロナの影響を避けるため」との理由で、8月17日の週にミルウォーキーで予定されている民主党の大統領候補の指名大会への出席を見合わせ、デラウェアの自宅から受諾演説を行うと発表したからだ。同じ理由で、トランプ大統領とのテレビ討論も3回行われるのが通例であるが、今回は行われない可能性が高くなってきた。すでに9月末から10月半ばにかけて予定されているのだが、中止される公算が大きい。バイデン候補にとっては願ってもない「コロナの追い風」といえるだろう。
何しろ、自分の名前は間違えないが、相手の名前はしょっちゅう言い間違える。遊説先の地名を間違えたり、コロナの感染患者の数を言い間違えたり、しかも数字にはめっぽう弱いというのが定評のバイデン候補である。現時点でも、全国の支持者拡大のキャンペーンは自宅から発するネット演説に頼り切っている有り様だ。
本人曰く「アメリカ国民の健康と安全を考えれば、これが最善の方法だ。医学、科学的観点からも人と会う機会は減らすことが賢明だろう」。そう言いながらも、バイデン候補は自ら「コロナの感染の有無を調べる検査はまだ行っていない」と後ろ向きの発言に終始している。はたして危機に立ち向かう最高指導者として相応しいか怪しい限りである。
実は、現職のトランプ大統領を擁立する共和党も状況は似たようなもの。当初、8月24日の週にフロリダ州のジャクソンビルで開催する予定であった全国大会であるが、トランプ大統領自らが「フロリダには行かない。受諾演説はホワイトハウスで行えばいい」と方針転換。トランプ大統領曰く「安全確保の観点から、それが一番だ。自分が移動すれば大勢のセキュリティスタッフも動くことになる。シークレットサービスの経費を減らせるメリットもある」。
そうは言いながらも、トランプ大統領は密かに再選に向けての準備を進めているようだ。得意のテレビ討論が難しいことも想定し、「オクトーバー・サプライズ」に賭けているとの観測が専らだ。何かといえば、11月の選挙直前の10月にアメリカ国民を味方につけるために危機を演出するという作戦である。過去の例からいえば、「戦時中の現職大統領は必ず再選をはたしている」。
※続きは8月14日のメルマガ版「史上最悪の経済情勢下で進むアメリカの大統領選挙(後編)」で。
著者:浜田和幸
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