2024年11月25日( 月 )

内部崩壊へ突き進むアメリカ~大統領選挙も実施が危ぶまれる(前)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年8月21日付の記事を紹介する。


 アメリカでは11月の大統領選挙に向け、民主党の全国大会が開催され、バイデン・ハリス正副大統領候補が正式に決まった。ミッシェル・オバマやヒラリー・クリントン、そしてオバマ、クリントン両元大統領も登場し、ホワイトハウスの奪還を強く訴えた。共通するメッセージは「トランプのせいで、アメリカは分断国家になってしまった。一部の富裕層のみがわが世の春を謳歌し、多くの国民が生活苦に陥っている。こんな社会は一刻も早く変えなければならない。誤った大統領を再選させるわけにはいかない」というもの。

 しかも、共和党陣営からパウエル元国務長官や元オハイオ州知事など大物も動員し、「アメリカの一体感を取り戻そう」との意気込みが感じられた。とはいえ、コロナ禍の影響で、すべて事前収録の映像を流すという設定のため、いつものような大きな会場を支持者で埋め尽くし、熱狂感を盛り上げ、勝利への道筋を共有することはできなかった。

 一方の共和党陣営も、トランプ大統領の「コロナなど大したことはない」言動に振り回され、全国大会の会場は二転三転。結局、共和党候補としての受諾演説はホワイトハウスで行い、これまたネットで配信するという有り様だった。こうした異例づくめの大統領選挙を余儀なくさせているのは新型コロナウィルスの蔓延に他ならない。しかし、その陰でより大きな暗雲をアメリカの先行きに投げかけているのが「黒人の命は大事だ(Black Lives Matter)」と称する過激な人種差別反対運動である。

(略)

 当初、ターゲットにされたのはコロンブスやリンカーンなど歴史上の人物の銅像や、白人至上主義を象徴するような建造物だった。その後、抗議活動はエスカレートし、白人の経営する商店が襲われ、商品が強奪され、警察署が放火されるなど、事態の悪化に歯止めがかからない。白人警察官の自宅が破壊され、白人の子どもや女性が被害にあい、殺されるような事件まで発生しているほどだ。

 そのため、「警察に電話しても誰も来てくれない」「明日は我が身かも」「自分の身は自分で守るしかない」というわけで、護身用のピストルやライフルの売上が急上昇。品薄状態が続いているため、銃の値段は3月と比べて3倍近く、弾薬は倍近くに高騰している。防弾チョッキの需要もうなぎ上りだ。また、射撃訓練場はいずこも満員で、初心者向けの銃の扱い方教室も予約でいっぱいという。治安の悪化は否定のしようがない。「多様な人種が集う、豊かなアメリカは過去の彼方に消え去った」と言っても過言ではないだろう。

※続きは8月21日のメルマガ版「内部崩壊へ突き進むアメリカ:大統領選挙も実施が危ぶまれる(前編)」で。


著者:浜田和幸
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