中国経済新聞に学ぶ~女性が「独身貴族」になるのは幻想?(前)
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現在、おひとり様が世界的なトレンドになっている。社会の高齢化より生まれた高齢者の単身世帯を除くと、単身世帯の多くの部分を若い人が占める。ここ数年、この単身者層にターゲットを合わせる企業が現れて、「おひとり様経済」は今や企業が利益を求めて競い合うブルーオーシャンになった。
「おひとり様経済」ブームは、おひとり様向け商品、おひとり様の社会や文化の育成を通じて、自主独立の生き方を求める女性を応援する。しかしおひとり様がビジネスになるときには、女性の独立の主張が消費主義に包まれて、従来の紋切り型の性規範の旧套に戻らないよう、十分に警戒しなければならない。
「おひとり様経済」ブームがやってきた
おひとり様は、一種の社会現象として長らく注目を集めている。
「おひとり様経済」という言葉は、FT・マッカーシー氏が2001年に英誌「エコノミスト」で発表した文章で初めて登場した。マッカーシー氏は同年に映画「ブリジット・ジョーンズの日記」が世界でブームを巻き起こし、ヒロインのブリジットの生き方が注目を集めたことを受け、そこに現れた新しい経済を「ブリジット・ジョーンズ・エコノミー」と名付けた。マッカーシー氏の見方によると、シングル女性の多くは広告業、出版業、娯楽業、メディア業の製品・サービスの生産者や消費者だ。独身で高い収入があり、ほかの階層よりも消費への意欲と衝動が強い。隙(すき)のないブランドファッション、優雅なヘアスタイル、バッチリ決まったメークなどが特徴とされる。定期的に体を動かし、余暇時間がたっぷりあるシングル女性は、「ファッション」「かっこよさ」「新たなトレンド」の代名詞になった。
現在、世界に広く存在するおひとり様のトレンドと女性の解放・発展の道のりは、切っても切り離せない。女性の教育水準や労働参加率が向上するのにともない、女性たちは自分自身の発展を追求し、学業や事業の発展と結婚や家庭での生活との間に衝突が起きたときには、結婚を遅らせたり非婚を選択したりするようになった。また、女性の独立した経済力も、「おひとり様経済」のブームのなかで独自の消費力と決定力を高める流れを決定づけた。
「おひとり様経済」の発展は、女性を含むすべての単身者層に多くの便利さと可能性をもたらす。おひとり様対応の「火鍋レストラン」の登場で、1人鍋の気まずさが解消された。小型スマート家電が発売されて、おひとり様世帯の暮らしがさらに便利になった。単身者向けマンションには経済性と社交的な属性が備わり、おひとり様が不動産を購入するときの予算不足の悩みを緩和し、単身者向けの特別な設計がおひとり様の「セレブ的」ムードや社交生活への憧れにマッチした。
おひとり様が抱える介護や医療保障の弱さを見据えて、一連の資産運用商品が登場し、今後、おひとり様の後顧の憂いをなくし、個人化するリスクに対する弱さを緩和することが予想される。とくに「おひとり様経済」のブームのなか、生涯学習、多様な職業選択、技能訓練が注目を集めており、このこともまたおひとり様が持続的発展を実現するための保障になると同時に、独立と自主を追い求める女性の歩みを後押しすることになる。
(つづく)
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