2024年11月22日( 金 )

内部崩壊へ突き進むアメリカ~大統領選挙も実施が危ぶまれる(後)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年8月28日付の記事を紹介する。


 11月の大統領選挙を前に各種世論調査を見ると、バイデン候補がトランプ大統領を支持率でリードしている。とはいえ、世論など気にしないのがトランプ流。トランプ大統領は相変わらず意気軒高のようだ。

 「居眠りバイデンは認知症だ。民主党の全国大会でも自宅のあるデラウエアからリモート参加しかできなかった。支持者の前に姿を見せられないほど耄碌している」と罵詈雑言のオンパレード。とても一国を代表する指導者とは思えない。しかし、そうした過激な発言を聞き、留飲を下げているアメリカ国民が多いのもたしかで、アメリカの病理の深刻さの現れに違いない。

 民主党の全国大会が開催された当日も、ニュージャージーにあるトランプ自らのゴルフ場のクラブハウスに支援者を集めて、上記のような発言を繰り返していた。何しろ、そのクラブでの会食参加費は1人35万ドル(約400万円)というからたいしたものだ。いまだにそれだけの会費を支払ってトランプに会いたいという物好きが後を絶たない。確かに、熱狂的なファンはトランプのほうがバイデンを圧倒している。

 とはいえ、トランプは舌鋒鋭いものがあるが、体力的にはかなり弱っているようだ。先のゴルフ場でもカートの乗り降り以外には身体を動かさなかった。訪問先でもつま先がよろめくことがしばしば映像で確認できる。しかし、本人曰く「雨でスロープが滑りやすくなっていたからだ」とか「靴が少し合っていなかっただけだ」と、屁理屈三昧である。

 一方のバイデン候補であるが、トランプ大統領からはことあるごとに「認知症の耄碌おじさん」と揶揄されている。ところが、デラウエア州の自宅の近辺では自ら自転車に乗って動き回っているではないか。トランプがもっとも信頼するフォックス・ニュースのカメラマンがアポなしでバイデン候補の取材をしている折に、偶然、サイクリング中のバイデンに遭遇したというのである。副大統領候補を決める直前の時期だったため、記者が「副大統領候補は誰にしましたか」とたずねると、自転車に乗っていたバイデンは笑顔で「知りたいかい。君にしようか」と冗談で応じ、その模様がテレビで流された。

 その反響は大きく、「77歳とは思えないほど自転車に颯爽と乗っていた。大したものだ。しかも、ユーモアたっぷりじゃないか」という好意的なものが多かった。取り上げたメディアがトランプ寄りのフォックス・ニュースだったことも意外性があり、プラスに作用したようだ。

 その結果、「大統領候補者の討論会は自転車レースにした方がオモシロそうだ。テレビ討論会ではありきたりの非難合戦になることは目に見えている。自転車を漕ぎながらの質疑応答であれば、議論の中身だけでなく体力の比較もでき、一石二鳥ではないか」というわけだ。

※続きは8月28日のメルマガ版「内部崩壊へ突き進むアメリカ:大統領選挙も実施が危ぶまれる(後編)」で。


著者:浜田和幸
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