新型コロナワクチンの開発に成功したと豪語するプーチン大統領と世界の反応(後)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年9月18日付の記事を紹介する。
とはいうものの、「スプートニクV」に限っていえば、すでに触れたように、あまりにも少ない治験データであり、その効果の程は「神のみぞ知る」といったところかもしれない。第一、プーチン大統領が「自分の娘には投与した」と自慢するものの、「自らは投与を受けていない」というのでは、やはり説得力に欠けると言わざるを得ないだろう。しかし、ロシア保健省では「このワクチンは極めて効果が高く、安全である。人類がCOVID-19との戦いに勝利するうえで、大きな第一歩になるだろう」とプーチン大統領の援護射撃に余念がない。
そこで思い出されるのはプーチン大統領の出身地サンクトペテルブルクにあるバイオカッド研究所である。この研究所は表向きガンの研究で知られているが、プーチン大統領の特命研究テーマを与えられている。それは何かといえば、ずばり「若返り延命薬」の開発に他ならない。
(略)
いうまでもなく、この薬をもっとも必要としているのはプーチン大統領その人であろう。現在67歳で安倍首相とほぼ同年の大統領であるが、この「若返り薬」を服用すれば、130歳まで、すなわち「今後63年間も大統領職にとどまることもできる」というわけだ。
プーチン大統領が率いる政党「統一ロシア」では、この若返り薬を希望するすべてのロシア人に提供できるようにしたいとの政策を掲げている。実用化にはまだ20年ほどの時間がかかる模様だ。となると、プーチン大統領は少なくとも40年までは政治生命を維持しなければならない。そうすれば、その後はこの薬のお蔭で「83年まで大統領を務めることも可能になる」。はたして、そうしたことが可能かどうか。たとえ可能だとしても、それがロシアの国民にとって望ましい未来といえるだろうか。
いずれにせよ、ロシアの未来を選択するのはロシア人である。しかし、プーチン大統領が世界初のコロナワクチンを開発したと豪語し、その陰で、世界初の若返り薬の開発をも加速させていることは紛れもない事実である。プーチン大統領は冷戦に敗れ、15の共和国に分裂してしまった旧ソ連邦の復活を構想している。その「ロシアの夢」を実現するためにも、ベラルーシやカザフスタンなどの大統領をサンクトペテルブルクに招いては、延命治療薬の開発現場を案内し、その可能性を実感させることで、ソ連復活へ共同歩調を組む仲間を増やそうと目論んでいるようだ。
※続きは9月18日のメルマガ版「新型コロナワクチンの開発に成功したと豪語するプーチン大統領と世界の反応(後編)」で。
著者:浜田和幸
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