東宝、V字回復に向けて「鬼滅」に全集中
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東宝(株)が発表した2021年2月期の中間決算(連結)の内容は、コロナショックの影響が如実に表れていた。売上高は前年同期比で700億6,700万円の減収、各利益も前年同期比で大幅減益となった。
とくに、映画興行事業、演劇事業といった「箱物事業」はコロナショックの影響が色濃く出ており、それぞれ前年同期比で営業収入が7割超ダウンしている。起死回生コンテンツ 『鬼滅の刃』
東宝グループで、映画館「TOHOシネマズ」の運営を手がけるTOHOシネマズ(株)は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、20年4月中旬~5月中旬までの約1カ月間、全劇場の営業を休止。上映が予定されていた国内外の大作映画が軒並み公開延期となったことに加え、営業再開後も前後左右に1席ずつ間隔を空けるなど、十分な集客が望めない状況での営業を余儀なくされていた。
しかし、本日10月16日(金)~18日(日)の3日間にかけては、TOHOシネマズ全劇場で全座席を販売する。スクリーン内での食事は禁止という条件付きではあるものの、依然コロナ禍にあるなかでこの決断は、勇気がいったはずだ。それでも全座席販売に踏み切ったのは、相応の集客、ひいては収益が見込める大人気コンテンツ『鬼滅の刃』の劇場作品が公開されることが一因と考えられる。
福岡のTOHOシネマズ天神ソラリア館における上映回数は、公開初日で3スクリーン計13回。明日の土曜日が同12回。明後日の日曜日が同13回と、めったにお目にかかれないお祭り状態となっている。まさに『鬼滅』に全集中といった様相だ。
東京の劇場では朝から行列ができるなど、コンテンツのもつ魅力が劇場の集客に一役も二役も買っている様子がうかがい知れる。中間決算では成績が振るわなかった東宝グループ・映画興行事業の“柱”、TOHOシネマズだが、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開が、東宝グループの明るい未来を切り拓くきっかけとなることを期待したい。頑張れ!東宝頑張れ!
【代 源太朗】
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