2024年11月24日( 日 )

トランプ大統領の怒りを買った安倍前首相のキューバ政策(後)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年10月16日付の記事を紹介する。


 コロナ禍の影響をもっとも色濃く受け、人種差別問題も歯止めがかからず、国家分裂の瀬戸際に追い込まれているのが今のアメリカである。その腹いせのように、トランプ政権は同盟国であろうと敵対国家であろうと、無理難題を押し付けてくる。トランプが突きつけてきた「駐留米軍経費(思いやり予算)の4倍増要求」を安倍首相は切り返せなかった。それどころか、安倍首相はアメリカから「南シナ海における中国の非合法な領土拡張に対抗するための軍事行動への参加」や「キューバの収容所送り」を耳打ちされ、一気に病状が悪化したのではないか。

 こうしたアメリカの理不尽さを前にして、堂々と渡り合える政治家が日本から登場する可能性はあるだろうか。現時点では難しいと言わざるを得ない。アメリカの諜報機関の動きはもちろん、それらを操る残忍な大統領の本性も理解できていないからだ。これでは誰がアメリカの次期大統領になっても、その楔(くさび)からは脱却できそうにない。

 今こそアメリカと対決することを厭わない国々ともバックチャンネルを構築するような戦略思考と情報管理能力が求められる。日本は「ポスト・コロナ」ではなく「ポスト・トランプ」時代に備えねばならない。

 いずれにしても、菅総理の最大の弱点は外交だと言われている。今回の総理就任に際しても、海外からは不安視する声が聞かれる。そうした不安を払拭しようということであろうが、9月20日のオーストラリアのモリソン首相を皮切りに、アメリカのトランプ大統領とも初の電話会談に臨んだ菅総理である。その後も、順次、諸外国のトップとの電話による「挨拶外交」を展開中だ。しかし、電話で、しかも通訳を介しての10分から20分の会話では、相手の不安を解消し、新たな関係を打ち立てるなどはとても無理な話であろう。

 とはいえ、トランプ大統領との電話会談は順調に行ったようで、直後の記者会見では高揚気味の菅総理であった。曰く、「コロナ対策や北朝鮮問題で協力することで合意した。大統領からはこれからは24時間いつでも電話してほしいと言われた」。トランプ大統領も得意のツイッターで早速、菅総理を持ち上げた。「日本の新しい総理はたたき上げの人生を歩んできた大した奴だ。一緒に大きな仕事ができるだろう」。これでは安倍前首相と同じ轍を踏むことになりそうだ。

※続きは11月6日のメルマガ版「トランプ大統領の怒りを買った安倍前首相のキューバ政策(後)」で。


著者:浜田和幸
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