2024年12月26日( 木 )

女性活躍の時代を反映、NYと東京から女性講師が登壇~日本ビジネスインテリジェンス協会第171回例会開催(3)

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 日本ビジネスインテリジェンス協会(中川十郎会長・名古屋市立大学特任教授)の第171回例会が10月29日、DEVNET INTERNATIONAL (以下、DEVNET)世界本部(東京・新橋)で開催され、国内外総勢13名の講師による、ユニークかつ貴重な発表が行われた。

 現地会場とオンラインのいずれでも参加できるハイブリッド形式で開催され、ニューヨーク、東京、山形、新潟、京都、神戸、大阪、島根などから、60名を超える有識者が参加した。Zoom会場となったDEVNET世界本部には、30名を超える講師や参加者が集まった。

コロナに「水素吸入療法」と「なた豆」は効果的

 コロナと医療・環境のテーマで5人の演者が登壇した。

 1人目は、鍾 正氏(DaddyBaby(株)社長)。DaddyBabyは、中国福建省の福清市に本社を構え、2015年の創立以来、紙オムツ、マスクの生産を一貫して行っている。今年、東京(新丸の内センタービル21F)に事務所を構えた。 

 鍾氏は「マスク、医療品の介護ホームへの援助と日中ビジネス」のテーマで講演し、そのなかで、とくに父親が積極的に子育てすることの重要性を説き、また今回のコロナ騒動で、同社が老人ホーム、介護施設などに紙オムツ、マスクなどの総額1億円相当の寄付を行ったことを明らかにした。

 2人目は、池田 祖氏(池田テクニカル(株)社長)。同社は、地中熱・熱利用空調システム「Geo-MAX」を主力製品としている。地中熱は年間を通して抜群の安定感をもつことで知られており、Geo-MAXは地中熱を効率よく熱交換する大風量・省エネルギー型のシステムである。

 池田氏は「コロナ禍下でのエアコン外気導入 新技術製品紹介」と題して、コロナ対策の新製品、外気導入装置「FED(Freshair Exchange Device)」の紹介を行った。FEDは三密(密閉空間)の解消を目的とし、換気回数の見える化を実現した装置である。

 三密の解消を実現するために、建物を改造できない施設でも、既存のエアコンに装着し、エアコン能力を衰えさせずに外気を取り込むことを可能にしている。

 3人目は、吉留嵩氏(ヨシトメ産業(株)社長)、4人目は佐藤征也氏(元新潟大学客員教授)。ヨシトメ産業は鹿児島に本社を構え「なた豆」を生産、その関連食品を販売している。なた豆は日本に江戸時代の初めに渡来したと言われ、九州地方、とくに鹿児島でその栽培が定着した。サヤのかたちが刀や刃物のなたに似ていることから、「刀豆」と表記され、「なたまめ」と呼ばれるようになったといわれる。この「なた豆」が今注目されている。

 佐藤氏は、36年前になた豆由来のレクチンであるコンカナバリンA(Con A)がインフルエンザに効くと学会で発表して注目を集めた。コンカナバリンAは、新型コロナウイルスにも効くことがわかり、再び注目を浴びている。鹿児島大学など複数の研究機関ですでに実証研究が行われ、良い結果が出ている。

 5人目は、溝尾朗氏(東京新宿メディカルセンター院長補佐、患者サポートセンター統括責任者、統括診療部長)。溝尾氏はダイヤモンド・プリンセス号への乗船や東京新宿メディカルセンターにおける診療で、毎週のように新型コロナ患者と対面してきた事実を明らかにし、感染症対策(「三密」を避け、手洗い、うがいなど)をきちんと行うことの重要性を強調した。溝尾氏は「水素吸入療法とコロナ感染症」と題して、水素吸入療法が新型コロナに効果的である事実を次のように説明した。

 「水素吸入療法」は、水素ガスを鼻腔から吸入することで、多くの水素を体内に取り込む療法です。水素はクリーンエネルギー、グリーンエネルギーなどで有名ですが、実は医学界でも水素の研究は大変活発に行われており、人体に対する数多くの効果があります。

 水素は非常に小さな分子で、水にも油にも溶け、脳や細胞、ミトコンドリアまで行き届くことが特徴であり、細胞内レベルまで効果を出すことができます。水素は悪玉活性酸素と結合し、無害に変えることが研究により実証されています。

 新型コロナウイルス感染症の治療に、中国で「水素吸入療法」を実施した結果、重症患者の症状が相当に軽くなり、呼吸困難などが改善しました。現在はヨーロッパでも実証研究が進行しています。 

 我々の研究でも、症例は少ないのですが、糖尿病や認知症などにも効果が認められています。現在は、大学(東京大学、慶応義塾大学など)での研究も進んでいるため、来年末頃にはさらに進んだ研究成果を発表ができるのではないかと考えています。最近では、水素は植物の生育にも効果があることもわかってきました。

(つづく)

 【金木 亮憲】

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