2024年11月05日( 火 )

【企業研究】ロイヤルホールディングス~コロナ禍で飛行機が飛ばず、創業事業の機内食事業が壊滅的な打撃!(1)

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 外食大手の2020年7~9月期決算では、主要13中5社が最終赤字だった。新型コロナウイルスの影響による落ち込みは4~6月期で底打ちしたと見られていたが、人件費や賃料抑制など合理化が追いつかない企業が赤字となった。
 ロイヤルホールディングス(株)の7~9月期の最終損益は54億円の赤字(前年同期は9億9,300万円の黒字)と、13社中の赤字幅はもっとも大きかった。ロイヤル“1人負け”の状態だ。「ファミレスの王者」ロイヤルに何がおきているのか?

「ロイヤルホスト」など90店の店舗閉鎖、200人の人員削減

 ロイヤルホールディングス(HD)は、コロナ禍による外食業界の店舗閉鎖において先陣を切り、5月14日にファミリーレストラン「ロイヤルホスト」や天丼店「てんや」の約70の不採算店舗を21年度末までに閉店すると発表した。

 政府の緊急事態宣言が出された当初から多くの店舗で臨時休業や時短営業を実施してきたため、ロイヤルホストの4月の売上高は前年同期比42.1%に落ち込んだ。5月、6月も4月と同水準の状況が続くと想定して、店舗閉鎖に踏み切った。

 ロイヤルHDは国内でロイヤルホスト217店、てんや147店を展開していたため(いずれも直営で3月末時点)、ロイヤルホストの大量閉店にネット上では驚きの声が挙がり、これを「ファミレス崩壊の序章」とする意見もあった。

 店舗閉鎖はこれにとどまらず、ロイヤルHDは11月13日、約90店舖を21年末までに閉めると発表した。5月当初は70店強を閉店する計画だったが、コロナの感染拡大が想定以上に長引き、さらに20店程度の閉店を検討する。新たに加わった閉店対象の店舗は天丼店てんや、空港内でロイヤルHDが運営を受託するレストランなどが含まれる。

 店舗閉鎖にともない、大規模な人員削減を実施し、正社員全体の1割弱に相当する正社員200人程度の希望退職を募集する。外食やホテルなどグループ各社で働く50~64歳の正社員が対象になる。

 退職日は21年1月31日で、特別退職金を支給するほか再就職も支援する。経営の悪化からリストラが相次ぐ外食産業のなかで、ロイヤルHDの希望退職は最大規模だ。

20年12月期の最終損益は過去最大の280億円の赤字

 ロイヤルHDは11月13日、20年12月期連結決算の業績予想を公表した。売上高は前期比39.5%減の850億円、営業収益は190億円の赤字(前期は46億円の黒字)、最終損益は280億円の赤字(同19億円の黒字)の見込みで、最終損益は過去最大の赤字額となる。機内食事業や空港ターミナル店舗においては低調な推移が継続するものの、外食事業を中心に緩やかに回復することを想定し、対前年の6割~7割の水準となることを前提としたうえで、算定している。

 新型コロナの直撃を受けた4~6月期が底だった。四半期(3カ月)の業績推移は次の通り。

 急激な売上の落ち込みで、資金繰りが悪化。本業から現金の入りである営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを合わせたフリーキャッシュフローは、1~9月累計で178億円の赤字となり、長短借入金で補った。

 その結果、20年9月末の現預金残高は109億円となり、19年12月末から65億円を積み上げた。自己資本比率は19年12月末の49.6%から20年9月末に28.6%に低下したものの、財務の健全性は保った。

(つづく)

【森村 和男】

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