九州地銀の2021年3月期 第2四半期(中間期)決算を検証する (6)
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【表1】を見ていただきたい。九州地銀金融グループ(FG・FH)の当期純利益(予想)順位表である。
~この表から見えるもの~
◆当期純利益の1位はふくおかFG。前年同期比▲666億700万円の440億円(同-60.2%)の予想となっている。前年と比較して大幅なマイナスとなっている要因は、十八銀行との経営統合にともなう「負ののれん代」発生益などの特殊要因よる。
・2位は西日本FH。前年同期比▲27億2,200万円の175億円(同-13.5%)。
・3位は九州FG。前年同期比▲32億6,100万円の150億円(同-17.9%)。
・FG・FHの当期純利益合計は前年同期比▲725億9,000万円の765億円(同-48.7%)とほぼ半減している。【表2】を見ていただきたい。九州地銀17行の当期純利益(予想)順位表である。
~この表から見えるもの~
◆当期純利益の1位は福岡銀行。前年同期比+341億200万円の532億円(同+178.6%)と大幅な増益。
・2位は西日本シティ銀行。前年同期比▲23億9,500万円の150億円(同-13.8%)。
・3位は鹿児島銀行。前年同期比▲27億3,600万円の85億円(同-24.4%)。
・4位は肥後銀行。前年同期比▲51億6,000万円の77億円(同-40.1%)と大幅な減益。
・5位は宮崎銀行。前年同期比+7,500万円の72億円(同+1.1%)。
・6位は大分銀行。前年同期比▲10億8,100万円の40億円(同-21.3%)。
・7位は熊本銀行。前年同期比+59億2,600万円の40億円で、前期の▲19億2,600万円から黒字転換。
・8位は山口FG傘下の北九州銀行。前年同期比▲7億1,000万円の34億円(同-17.3%)。
・9位は十八親和銀行。前年同期比+166億8,200万円の22億円で、前期の▲144億8,200万円から黒字転換。
・10位は佐賀銀行。前年同期比▲4億4,100万円の20億円(同-18.1%)。
・11位は南日本銀行。前年同期比+1億500万円の7億5,000万円(同+16.3%)の増益予想。
・12位は筑邦銀行。前年同期比▲1億2,000万円の6億8,000万円(同-15.0%)。
・13位は宮崎太陽銀行。前年同期比▲5億6,600万円の5億円(同-53.1%)と大幅な減益。
・14位は豊和銀行。前年同期比+1億2,100万円の4億3,000万円(同+39.2%)と増益。
・15位は福岡中央銀行。前年同期比▲2億4,400万円の3億円(同-44.9%)と大幅な減益。
・16位は佐賀共栄銀行。前年同期比▲2億6,500万円の2億2,000万円(同-54.6%)。17行のうち、トップの減益率となっている。
・17位は長崎銀行。前年同期比+5,600万円の1億1,000万円(同+103.7%)と大幅な増益予想。<まとめ>
九州地銀18行の当期純利益(予想)合計は1,101億9,000万円。そのうち、ふくおかFG、西日本FH、九州FGの3金融グループ(7行)の当期純利益の合計は907億1,000万円で、82.3%と圧倒的なシェアを占めている。今も新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、年末年始の時期に融資企業、とくに中小企業を中心に倒産が多発するのではないかと危惧されている。厳しい経営状況が当面続くため、当期純利益が赤字に転落する地銀も出るのではないかとの見方も出始めている。
9月16日に発足した菅内閣は、地域経済活性化のために、地銀の経営統合を積極的に推進する方針を示しており、2021年3月末までに、経営統合を選択せざるを得ない地銀が出てくるのは間違いないようだ。
(了)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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