良きライバル福岡市前副市長・貞刈厚仁氏*中園政直氏~最後にはどちらが笑うか(6)中園社長 本業以外でツキまくっていますが大丈夫ですか
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驚愕! 中興の祖・江頭和彦氏さえもなれなかったポジションに就く
中園氏は、当連載(4)で博多港の物流(とくにコンテナ扱い)を急増させ、扱い量で門司港を追い抜き日本第6位にまで進展させた言わば博多港発展の中興の祖・江頭和彦氏が、なりたくても就くことのできなかったポストを射止めた。それは福岡市商工会議所運輸・港湾・貿易部会部会長である。商工会議所には11部会あるが、名門部会の運輸・港湾・貿易部会部は中枢の部会であり、基幹部会だ。
この名門会長のポストに中園氏が座ったのである。本人は「たまたま運が良かっただけです」というが、ご謙遜での弁でもない。確かに強運の持ち主だ。福岡商工会議所の新年度定例人事の時期にあたり、前部会長が副会頭に昇格されたことでポストが空いたというよいタイミングに遭遇したことで、ポストを得た。中興の祖・江頭氏も商工会議所常任委員として活躍し、部会長を狙っていたが、人事の入れ替え時期と縁がなく、ポストが転がってくることがなかった。
コロナ感染の業績へ影響は皆無
博多港ふ頭の業績をみてみよう。江頭氏が同社の経営基盤を頑強なものとした。それとともに世界経済の活況が後押しし、博多港の取扱量は上昇線をたどってきた。しかし、ここにきてコロナ蔓延による影響がいくらかおよんでおり、取扱数量が若干だが減少している(添付している博多港の荷物取扱量の資料を参照されたい)。中園氏は「無策であれば2,000万円程度、赤字になります。しかし、まだ決算までの時間は残っており、社員の皆さんに頑張って赤字を食い止めようと檄を飛ばしています」と語る。
当連載(4)で触れたように、博多座はコロナによる打撃で火の車状態だ。博多座の貞刈社長は再建のために不眠不休で尽力しているという。その状態と比較すれば博多港ふ頭の経営状態は天国といってよかろう。同社は仕事柄、毎年、数多くの世界の港湾視察が組んでおり、中園社長は視察旅行には熱心であるが、ストップしているのが本人にとっては不本意なことであろう。仕事師の中園社長であるが、暇と感じるほどの時間的余裕が生まれているのではないか。
取材過程で入手した「中園副市長誕生のその訳」を追記する。
(1)高島市長は市役所人事で九州大学卒が蔓延っている。九大卒でなくても平等に職員が出世できるように何とか打開しなければいけないと願っていた。
(2)そこで高卒(入植時点)のやり手の中園氏に改革の旗を委ねた。「高卒でも副市長までなれるよ!職員の皆さん、中園さんに続け」とエールを送ったという説を耳にした。いやー、そこまで高島市長が職員の皆さまに配慮するとは驚きである。2019年12月の決意
昨年12月に当社25周年記念の出版物「一樹百獲」を出版した。そこで中園社長は「独自のサービス展開」としてHiTS ver3-博多港物流システムを強調し、下記のような決意と方針を述べた。
博多港物流ITシステムは、コンテナ貨物やターミナルの情報をリアルタイムで博多港の利用者へ提供し、海外港湾とも連携を進め、物流の迅速化、効率化に寄与する博多港独自のサービスである。この博多港物流ITサービスは以下の通り。
1、迅速な情報把握で顧客サービス向上―問い合わせ対応やフリータイム確認などの業務が大幅に改善
2、配車の効率化がアップ―ゲート前トレーラー渋滞の大幅解消や受付時間単色の実現。
3、セキュリティ機能の向上―搬入車完全ID化でトレーラー作業履歴検索が可能。
4、ペーパーレス化と社内システム構築―業務情報の共有化、電子化などにより手書き、二重入力パンチミス等の削除荷主および海陸運、船会社および船舶代理店の業務が同社のオペレーションで最適化された状態で業務遂行できる仕組みである。さらにKACCS3-香椎コンテナターミナルコントロールシステム3による最先端マネジメントにより、博多港物流ITシステムと連動させて、業務におけるより高い生産性と効率性、安全性、安定性をもたらしている。
以上のシステムを駆使することで、より的確で適正な業務マネジメントを実現させ、物流の最適化をさらに高めている。
この取材は中園社長が博多港ふ頭に赴任して6カ月後に行われたものであるが、非常に良く勉強をしていると感心した。コロナで博多港の出荷量は若干落ちているとはいえ、世界の物流の大勢は増加基調にあり、上記の前向きの施策を打ち続けていけば博多港の将来は明るい。博多港ふ頭の業績の大幅落ち込みはなかろう。もちろん、中園社長が経営に専念することが条件である。ところが吉報とみるのか訃報のみるのか同氏にさまざまな公職が転がってきた。
言い方を変えれば、過去の福岡市元副市長にこれだけ声がかかる例がなかったのである。従来、副市長をこなした人物の能力が高く評価されることは少なかった。中園氏には事業能力を十分に備えているとみられているのか、あるいは運に恵まれているのか。当連載(2)の例では、同氏の気学上の見立ては「あまり目移りするな」ということである。
福岡大学学長補佐
このシリーズ取材開始のころから「中園社長が福岡大学学長補佐に就いた」という情報を得た。確かに福大総務部に問い合わせをすると「正式には理事会で理事抜擢を受けて」から就任する。すごいものである。この就任に関しては別途連載する予定にしている。
また、驚くことなかれ!(財)末永文化振興財団(城南区七隈)の理事就任の情報も飛び込んできた(先方の財団関係者に確認ずみ)。中園氏の文化への見識の高さを知らずにおり、失礼ながら驚いた次第だ。
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