九州地銀の2021年3月期 第3四半期(12月期)決算を検証する (6)
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【表1】を見ていただきたい。九州地銀17行(含むFG・FH)の2021年3月期の当期純利益順位表である。
(1)金融グループの当期純利益順位表について
~この表から見えるもの~
・21年3月期の当期純利益(予想)トップはふくおかFG(3行)で前期比▲666億7百万円の440億円(同比-60.2%)を予想している。ただ前期の当期純利益には十八銀行と経営統合にともなう特別利益「負ののれん発生益」1,174億33百万円が含まれており実質は赤字だった。
・20年10月1日に親和銀行と十八銀行が合併して十八親和銀行が発足しており傘下行は4行から3行。
・2位は西日本FHで前期比▲27億22百万円の175億円(同-13.5%)。
・3位は九州FGで同▲32億61百万円の150億円(同-17.8%)。(2)九州地銀17行の当期純利益順位表について
~この表から見えるもの~
◆当期純利益トップは福岡FG傘下の福岡銀行で前期比341億2百万円の532億円(同+178.6%)。大幅な増加予想となっている。
・2位は西日本FH傘下の西日本シティ銀行で前期比▲23億5百万円の150億円(同-13.8%)。
・3位は九州FG傘下の肥後銀行で同▲51億60百万円の77億円(同-40.1%)。大幅な減益予想。
・4位は宮崎銀行で同+75百万円の72億円(同+1.1%)。
・5位は九州FG傘下の鹿児島銀行で同▲42億36百万円の70億円(同-37.7%)。減益予想。
・6位は大分銀行で同▲10億81百万円の40億円(同-21.3%)。
・同じ6位はふくおかFG傘下の熊本銀行で同+59億26百万円の40億円。赤字から黒字転換。
・8位は北九州銀行で同▲710百万円の34億円(同-17.3%)。
・9位はふくおかFG傘下の十八親和銀行で同+166億82百万円の22億円。合併にともなう大幅な赤字から黒字転換。合併効果により収益体質の強化は進むものと見られる。
・10位は佐賀銀行で同▲441百万円の20億円(同-18.1%)。
・11位は南日本銀行で同+105百万円の750百万円(同+16.3%)。以下、10億以下の当期純利益。
・12位は筑邦銀行で同▲120百万円の680百万円(同-15.0%)。
・13位は宮崎太陽銀行で同▲566百万円の500百万円(同-53.1%)。大幅な減益予想。
・14位は豊和銀行で同+121百万円の430百万円(同+39.2%)。
・15位は福岡中央銀行で同▲244百万円の300百万円(同-44.9%)。大幅な減益予想。
・16位は佐賀共栄銀行で同▲265百万円の220百万円(同-54.6%)。大幅な減益予想。
・17位は西日本FH傘下の長崎銀行で同+56百万円の110百万円(同+103.7%)。大幅な増益予想となっている。◆20年12月期の当期純利益の21年3月期の目標当期純利益に対する平均達成率は95.4%となっている。100%を大きく超えている銀行もあり、全行目標の達成は可能なようだ。
<まとめ>
21年3月期の当期純利益(予想)は、筑邦銀行を除き第一地銀が上位を占めているのがわかる。また金額も20億円以上となっており、第二地銀の収益力との間に大きな差があることが読み取れる。
日銀の低金利政策の影響を受け銀行の収益環境は厳しいなか、新型コロナウイルスの感染拡大による地域経済の縮小も続いており、当期純利益が10億円以下の銀行が単独で生き残るには厳しい状況となっている。来期以降、第二地銀の経営統合だけでなく、ふくおかFG、西日本FH、九州FGを核とする九州地銀全体の経営統合も進展することになりそうだ。(了)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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