自然エネルギーの発電電力量が初の20%超 ISEPレポート
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太陽光、バイオマス、風力発電が増加傾向
2020年の自然エネルギー(※)による発電電力量(速報)が、認定NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)により4月12日、発表された。同速報によると、2020年の国内の全発電電力量(自家消費含む)に占める自然エネルギーの割合は前年比で2.3ポイント増加し、20.8%と推計されている。
内訳は、太陽光発電の割合が同1.1ポイント増の8.5%、バイオマス発電が同約2割増の3.2%、風力発電が同約1割増の0.86%となったという。地熱発電は0.25%、水力発電は7.9%でわずかな伸びに留まった。
一方、火力発電の割合は、前年から横ばいで74.9%と高い。しかし、石炭火力は27.6%、液化天然ガス(LNG)は35.4%と減少傾向にある。原子力発電は14年にゼロになり、15年以降、増加傾向にあったが、20年には同1.2ポイント減の4.3%となった。
一方、自然エネルギー導入で先行する欧州28ヵ国(イギリス含む)における自然エネルギーによる発電の割合は20年に約38.6%(20年)へと増加、日本国内のおよそ2倍となっており、また化石燃料による発電の割合(37.3%)を始めて上回った。
風力や太陽光発電の導入がここ10年で急激に進んだ中国でも、自然エネルギーの割合は28.5%と高く、風力発電の割合が6.1%、太陽光発電の割合が3.4%となっている。
北陸、東北、四国電力エリアで自然エネ30%超~電力需給ベース
国内の年間電力需要量に対する自然エネルギーの割合(平均値)は、前年比2ポイント増の19.1%と大幅に増加したという。最も割合が大きいのは太陽光発電と水力発電の8.1%で、それぞれ同0.9ポイント増、同0.5ポイント増となった。バイオマス発電は同0.4ポイント増の1.6%、風力発電は同0.1ポイント増の1.0%だ。一方、原発の割合は同2.4ポイント減の5.0%と大幅に低下した。
電力会社のエリア別の電力需給における自然エネルギーの割合は以下の通り。
年間電力需要量に対する自然エネルギーの割合が最も高かったのは北陸エリア(35.2%)、2位が東北電力エリア(34.0%)、3位が四国電力エリア(30.8%)となったという。東京電力エリアは12.3%と低い。太陽光発電の割合が全国で最も高い九州電力エリアは26.3%で、前年比3.3ポイント増と大幅に増加した。
19年は1時間ごとのデータにおいて、電力需要に対する自然エネルギーの割合が100%を超えるエリアはなかったが、20年は四国電力、東北電力、九州電力で100%を超える時間帯が発生しているという。
【石井 ゆかり】
※:再生可能エネルギーのうち、自然現象から得られるエネルギーを指す。 ^
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