新型コロナ国産ワクチン、塩野義製薬などが開発~自民調査会で早期承認必須と発表
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自民党科学技術・イノベーション戦略調査会は4月21日、医療分野の研究に関する小委員会を党本部で開催した。同委員会では、塩野義製薬(株)代表取締役社長・手代木功氏が新型コロナウイルスワクチンの国内開発状況について発表を行い、議論がなされた。
手代木氏が発表した「国家安全保障の観点からの純国産COVID-19ワクチンの重要性」の内容を、下記に紹介する。
主な新型コロナワクチンの開発状況は、以下の通り。日本では2月から海外で開発されたワクチンの供給が始まっており、今後は国産ワクチンの供給が見込まれている。
塩野義製薬は遺伝子組み換えタンパクワクチンを開発しており、UNIGEN社、アピ社と提携して2020年度内の生産体制構築を予定している。
主な海外ワクチン企業は米生物医学先端研究開発局(BARDA)などから、下記のように開発支援を受けている。
純国産ワクチンの実用化に向けた課題は、以下の3つだ。
(1)今後、ワクチンの普及により、プラセボ対照の発症予防試験が実施できなくなる可能性がある。そのため、代替案として(1)中和活性(※1)をサロゲートエンドポイント(※2)にした検証試験や、(2)チャレンジ試験(※3)が考えられるという。
(2)発症予防試験実施国に対して、将来的にワクチンを供給することが求められるため、日本国民分以外を含めたワクチン生産能力が必要。
(3)国内において製造できる体制を構築しなければ、ワクチンを確保できなくなる。ワクチン需要の高まりにより、純国産ワクチン製造に関わる原料や資材等の確保支援、将来的にはそれらの国内生産体制の整備が必要だという。今後も新たなコロナ変異株が生じる可能性が高いなか、仮に日本で特有の変異株が生じた場合、海外企業から日本変異株に対するワクチンが供給されない可能性がある。そうしたリスクを未然に防ぐため、純国産ワクチンを柔軟な規制運用により早期に承認し、自国における迅速な対応が可能となるよう準備が必須だという。
パンデミック下では、米国緊急使用許可(EUA)制度のような新たな法的措置が必要であるが、法整備には相応の時間が必要であり、目下の課題には即応不可である。そのため、ワクチンに関する課題に対しては現行法の弾力的な運用での対応となる。
※1:ウイルスの感染を防ぐ能力。 ^
※2:医療行為に対して短期間で評価を行うための評価項目のこと。 ^
※3:暴露試験。意図的にウイルスに感染させて効果を検証する試験。 ^関連キーワード
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