【FCバルサ】サッカーを通じて地域の人々をつなぐハブに アメージングスポーツパーク福岡伊都
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ゴールデンウィーク後半の5月4日、福岡市西区に「アメージングスポーツパーク福岡伊都」がオープンした。フットサルコート5面、最大43m×83mの人工芝グラウンドは福岡西部では屈指のサイズ。6月にはここを拠点として、「バルサアカデミー伊都サテライト校」が開校する。この日はオープニングイベントとして、バルサアカデミー福岡校のアカデミー生と保護者が参加した“みんなでバルサ”が開催された。
世界最高峰のサッカークラブ・FCバルセロナのアカデミーを開設
バルサアカデミーは、世界最高峰の名門サッカークラブ・FCバルセロナのメソッドを学ぶことができるスクール。アカデミーにはFCバルセロナから派遣されたテクニカルディレクターが常駐し、サッカーの技術だけにとどまらず、バルサが掲げる総合的なスポーツ教育および人間教育の哲学に触れることができる。
日本のバルサアカデミーは福岡校(春日市)を皮切りに奈良、東京、横浜、熊本(サテライト校)に展開。福岡校からは、アビスパ福岡から世界に羽ばたいた日本代表DF冨安健洋(セリエAボローニャ所属)が巣立っている。
オープニングセレモニーには、日本のバルサアカデミーを運営する(株)Amazing Sports Lab Japanの浜田満代表取締役も来場。挨拶では「日本で最初にバルサアカデミーを立ち上げた福岡に新たな拠点を築くことができた」と、喜びのコメントを寄せた。
オープニングイベント“みんなでバルサ”では、ミニバルサクラス(幼稚園年長~小学校2年生程度、経験1年未満)、1~4年生クラス、5年生以上+保護者の3カテゴリにわかれて試合を行った。第1試合の入場時にはFCバルセロナのホーム試合開催時と同じく「イムノ」(FCバルセロナを象徴する応援歌)が流され、雰囲気が一気に高まる。
ミニバルサクラスの子どもたちでも時折ハッとするようなテクニックを見せてくれたが、アカデミーでの経験が長い3~4年生の試合は非常に高いレベルだった。パスをつなぐ意識、ドリブルで勝負する意識はまさにバルサそのもの。試合をサポートするコーチ陣からはミスを責めるような言葉はいっさい出ず、良いプレーを褒める声、励ます声が響いていた。
コーチインタビュー「バルサはクラブ以上の存在」
バルサアカデミー福岡ディレクター・尾形ルイス氏
――浜田社長から(伊都サテライト校開校について)、ルイスさんが相当尽力されたというお話がありました。
ルイス 最終的に決まったのが2020年12月ですから、かなりの短期間でここまで漕ぎつけることができました。FCバルセロナ側のルールで、バルサアカデミーのグラウンドは天然芝か人工芝で照明も必要です。春日の福岡校は行政が管理しているグラウンドを借りているのでどうしても制限があるんですが、アメージングスポーツパーク福岡伊都なら自分たちで管理して使えます。将来的には、ここを拠点にしてジュニアユースのチームをつくり、サッカー連盟に参加して試合に出たいと思います。
――試合前に「イムノ」がかかると、「これぞバルサ」という感じになります。
ルイス 僕はこの仕事でスペインに行くことが多いんですが、向こうはやはり雰囲気づくりがうまい。スタジアム全体でお祭りのような空気をつくるんですね。エンターテインメント性がすごく上手な国で、これがうまくいくとプレイしている選手がもっと輝くんです。今回はコロナの関係で断念しましたが、本当はキッチンカーを入れるなどして、プロサッカーのように運営したいと思っています。私が生まれ故郷のペルーや南米で見てきたサッカー、スペインやヨーロッパで見てきたサッカーはエンターテインメントであり、感動させるもの。それが重要なアイデンティティーになっています。
――プレイ中の選手を叱るような場面がまったくありませんでした。
ルイス バルサの教え方には、選手たちに「答えを教えない」というものがあります。もちろんプレイにはさまざまなパターンがありますが、それはあくまで1つのアイデアであって、それに固執すると選手がそれだけしかやらなくなる。フレームワークをきちんと提示しながら、プレイのディテールは選手個人に任せる。コーチたちには、選手に質問しながらアイデアを引き出していくようにすることを徹底しています。
――ルイスさんが、ここで成し遂げたいことは。
ルイス コーチとしての夢は、ジュニアユース、ユースと縦方向に展開すること。今後はハードとしてこのアメージングスポーツパーク福岡伊都からチームを立ち上げたい。ここからJリーグや海外で活躍する選手が出てきたらサッカーファンとしてもうれしいです。個人的には、コートの外側の環境を整えることにも喜びを見出していて、アメージングスポーツパーク福岡伊都の立ち上げはその第一歩です。お世話になっている福岡に、子どもたちのスポーツ環境を整えるというかたちで恩返しをしたい。アメージングスポーツパーク福岡伊都を、子どもたちやスポーツ好きな人たち、地域の人たちのハブにしたいのです。サッカーやフットサルに限らず、鬼ごっこでもいいし、マラソンでもいい。いろいろな人が集まってサッカーをしたり、バルがあって昼間からビールを飲んだり、いろいろな人たちがコミュニケーションする場にしたいと思っています。
スペイン人コーチのアルナウ氏
――オープニングイベントに参加されての感想は。
アルナウ バルサのファミリー感を感じましたし、みんなバルサメソッドを体現していると思いました。勝利という目標を追求しながら、縦に急がずきちんとつないでいくというスタイルです。たくさんのアカデミー生に、バルサメソッドを伝えたいと思っています。ここでのスクール展開では、まずアカデミー100人を達成したい。そして、さまざまなイベントを通じて、サッカーの楽しさを広く伝えていきたいと思います。
――FCバルセロナには、”mes que un club”(クラブ以上のクラブ)というモットーがあります。このフィロソフィーは、日本の子どもたちにも伝わっていくと思いますか。
アルナウ 私はアカデミーの仕事で世界中を回っていますが、その言葉が最も当てはまるのは日本だと思っています。”mes que un club”とは、「クラブ以上の存在」という意味です。サッカーだけではなく、人間性やさまざまな部分を表す言葉です。日本人の謙虚さ、周囲の人に感謝する姿勢、サッカーであれば相手チームや審判に対するリスペクトの姿勢など、まさに日本人にぴったりの言葉だと思います。
【深水 央】
法人名
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