九州地銀の2021年3月期決算を検証する (1)
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2020年3月期の九州地銀は18行だったが、ふくおかFG傘下の十八銀行と親和銀行が20年10月1日付で合併し十八親和銀行(継承行・親和銀行)が発足したため、21年3月期は1行減って17行となった。
【表1】を見ていただきたい。九州地銀の決算公表日の推移表である。
~この表から見えるもの~
◆昨年は福岡中央銀行が5月27日(水)と大幅に遅れて公表。別途資料の通り、新型コロナウイルスの影響によるとしているが、他行は5月11日(月)~15日(金)までに公表している。銀行にとって1年間の成績表である。他行も新型コロナウイルスの影響は同じであり、同行のみが遅れたことは経営体制が脆弱であることを物語っている。
◆曜日の関係によるが、今年も昨年に引き続き大分銀行と南日本銀行の2行がトップで5月10日(月)に発表している。
◆6月に開催される株主総会のトップは九州FG。第6期の定時株主総会が6月18日(金)、午前10時から同社本社(肥後銀行本店・2階大会議室)で開催される。昨年は鹿児島銀行本店で開催しており、1年ごとに交替している。
◆今年、トップの交代はなかった。ただし、北九州銀行を傘下に置く山口FGの吉村猛会長は、【表2】の通り、兼任していた山口銀行会長を退任。その後任に山口FGの久野耕一郎副社長が就く。この交代は、吉村FG会長の「東京ナイズされた多角化経営路線」に対し、久野副社長は「銀行の本来業務に注力すべき」との路線を堅持。同期入行2人の経営方針の違いによるものと推測される。<まとめ>
株主総会が集中しているのは6月29日(火)で、ふくおかFGの3行(福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行)、西日本FHの2行(西日本シティ銀行・長崎銀行)、佐賀銀行、南日本銀行、豊和銀行、福岡中央銀行の9行となっている。新型コロナウイルスの影響を受けて厳しい決算状況となっており、経営陣にとっては、「株主総会を無事終える」ことが、最大の関心事ではないだろうか。決算単信は5月10日(月)~14日(金)までに発表され、15日(土)から各行の内容分析にとりかかった。話は少し外れるが、昨年、新型コロナウイルス感染拡大の影響により東京オリンピックが1年延期されたことにともない、 同じく延期されていたオリンピック聖火リレーが、新たに 3月25日に福島県をスタート。7月23日の開会式 までの 121 日間をかけて、全国 47 都道府県で実施されている聖火が、筆者が住んでいる島根県益田市の市役所前を次の目的地の鳥取県に向けて、5月15日午前11時16分にスタートするのを見届けた。15日は記念すべき日だった。
(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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