2024年11月22日( 金 )

九州地銀の2021年3月期決算を検証する (3)

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 【表1】を見ていただきたい。九州地銀(17行)の21年3月期の貸出金残高順位表である。

~この表から見えるもの~
<1位~10位>
◆1位は福岡銀行。11兆2,822億円(前期比+4.3%)。総預金は12兆5,991億円(前期比+13.1%)。預貸金残高が10兆円超は福岡銀行だけとなっている。預貸率は89.5%。
・2位は西日本銀行。8兆3,187億円(前期比+13.3%)。総預金は9兆2,627億円(前期比+7.2%)。預貸率は89.8%。
・3位は十八親和銀行。4兆1,307億円(前期比+7.3%)。総預金は5兆3,954億円(前期比+7.6%)。十八親和銀行の20年3月期の預貸金は単純合算計数。預貸率は76.6%。
・4位は肥後銀行。3兆8,349億円(前期比+3.7%)。総預金は5兆1,266億円(前期比+9.6%)。預貸率は74.8%。
・5位は鹿児島銀行。3兆8,144億円(前期比+7.2%)。グループの肥後銀行に肉薄している。総預金は4兆5,456億円(前期比+10.8%)。預貸率は83.9%。
・6位は宮崎銀行。2兆1,522億円(前期比+3.9%)。総預金は2兆8,139億円(前期比+8.7%)。預貸率は76.5%。
・7位は大分銀行。1兆9,068億円(前期比+4.0%)。総預金は3兆2,948億円(前期比+9.4%)。預貸率は57.9%。50%台は1行のみ。
・8位は佐賀銀行。2兆161億円(前期比+14.2%)。2兆円台乗せの銀行となった。総預金は2兆7,085億円(前期比+13.7%)。預貸金とも大幅に増加している。預貸率は74.4%。
・9位は熊本銀行。1兆8,815億円(前期比+16.4%)。九州地銀17行なかで最も高い伸び率。総預金は1兆5,792億円(前期比+9.7%)。預貸金とも大幅に増加。預貸率は前期の112.3%から119.1%のオーバーローンとなっている。
・10位は北九州銀行。1兆2,572億円(前期比+6.5%)。総預金は1兆1,897億円(前期比+0.7%)。預貸金とも伸びが低い。預貸率は105.7%のオーバーローン。

<11位~17位>
◆11位は南日本銀行。5,903億円(前期比+3.8%)。総預金は7,760億円(+5.7%)。預貸率は76.1%。
・12位は筑邦銀行。5,354億円(前期比+6.4%)。総預金は7,791億円(+10.7%)。預貸率は68.7%で、大分銀行についで2番目に低い。
・13位は宮崎太陽銀行。5,191億円(前期比+4.3%)。総預金は7,015億円(+7.3%)。預貸率は74.0%。
・14位は福岡中央銀行。4,284億円(前期比+10.6%)。総預金は5,052億円(+9.4%)。預貸率は84.8%。
・15位は豊和銀行。4,146億円(前期比+3.4%)。総預金は5,663億円(+6.6%)。預貸率は73.2%。
・16位は長崎銀行。2,630億円(前期比+5.2%)。総預金は2,528億円(+11.9%)。預貸率は104.0%。オーパローンは解消方向にある。
・17位は佐賀共栄銀行。1,961億円(前期比+6.8%)。総預金は2,463億円(+7.4%)。預貸率は79.6%となっている。

<金融グループ>
◆1位はふくおかFG。17兆1,458億円(前期比+6.3%)。総預金は19兆4,884億円(+11.2%)。
 預貸率は88.0%。
・2位は西日本FH。8兆5,439億円(前期比+13.1%)。総預金は9兆4,839億円(+7.4%)。預貸率は90.1%。
・3位は山口FG。7兆8,941億円(前期比+3.2%)。総預金は10兆114億円(+5.1%)。預貸率は78.9%。
・4位は九州FG。7兆5,803億円(前期比+5.5%)。総預金は9兆6,566億円(+10.2%)。預貸率は78.5%。
◆金融グループの貸出金合計は41兆1,641億円。うちふくおかFGのシェアは41.6%。預金についても48兆6,403億円のうち、19兆4,884億円。40.0%と高いシェアを占めている。

<まとめ>
 金融グループ傘下行(8行)が貸出金を積極的に増加させているのがわかる。筑邦銀行はSBIとの資本提携を発表。新型コロナウイルスの影響を受けて地域経済は厳しい状況にあり、金融グループ以外の銀行は、生き残りを賭けて、経営統合の道を選択せざるを得ない状況にあるようだ。

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(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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