九州地銀の2021年3月期決算を検証する (6)
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【表1】を見ていただきたい。九州地銀の2022年3月期の当期純利益(予想)順位表である。
~この表から見えるもの~
(1)経常収益について
・予想を公表している銀行は九州FG傘下の肥後銀行と鹿児島銀行の2行を含む9行。そのうち、前期比増収は宮崎銀行だけとなっている。
・予想を公表していない銀行は金融グループではふくおかFG傘下行含む6行、単独行では南日本銀行、豊和銀行の2行の計8行。
(2)経常利益について
・経常利益を前期より増益予想しているのは福岡銀行、西日本シティ銀行など7行。一方減益予想しているのは宮崎銀行、肥後銀行など10行。
(3)当期純利益について
◆当期純利益の予想は以下の通りとなっている。
・十八親和銀行は、前期比152.0%増。20年10月1日に親和銀行と十八銀行が合併しており、承継行の親和銀行に対する前期比となっていることが要因だ。
・九州地銀17行の22年3月期の当期純利益の合計は1,149億6,500万円。十八親和銀行の増益を差し引きすると、ほぼ前期並みの予想となっている。
・増加率トップは佐賀銀行が前期比29.8%増。次が大分銀行が同24.5%増。西日本シティ銀行が同21.3%増となっており、前期比プラス予想の銀行は7行。
・増加率が大きくマイナスとなっているのは筑邦銀行で同54.2%減。次が南日本銀行で同47.2%減。宮崎太陽銀行は同43.6%減となっており、前期比マイナス予想の銀行は10行。
・第一地銀10行のうち、6行が増益予想。第二地銀7行のうち、長崎銀行を除く6行が減益予想となっており、第二地銀は厳しい収益予想となっている。
◆当期純利益順位表
(1)九州地銀17行の順位表
・1位 福岡銀行 524億円 前期比+28億8,100万円(前期比5.8%増)
・2位 西日本シティ銀行 180億円 前期比+31億6,200万円(前期比21.3%増)
・3位 宮崎銀行 76億円 前期比▲3億9,500万円(前期比4.9%減)
・4位 鹿児島銀行 75億円 前期比+3,400万円(前期比0.5%増)
・5位 肥後銀行 61億円 前期比▲25億7,700万円(前期比29.7%減)
・6位 十八親和銀行 54億円 前期比+32億5,700万円(前期比152.0%増)
・7位 大分銀行 45億円 前期比+8億8,500万円(前期比24.5%増)
・8位 北九州銀行 35億円 前期比▲17億9,400万円(前期比33.9%減)
・9位 熊本銀行 33億円 前期比▲13億8,400万円(前期比29.5%減)
・10位 佐賀銀行 32億円 前期比+7億3,500万円(前期比29.8%増)
・11位 南日本銀行 9億円 前期比▲8億400万円(前期比47.2%減)
・12位 豊和銀行 7億3,000万円 前期比▲2億6,500万円(前期比26.6%減)
・13位 宮崎太陽銀行 7億円 前期比▲5億4,200万円(前期比43.6%減)
・14位 筑邦銀行 5億3.500万円 前期比▲6億3,400万円(前期比54.2%減)
・15位 福岡中央銀行 4億円 前期比▲1億1,900万円(前期比22.9%減)
・16位 佐賀共栄銀行 2億円 前期比▲1億100万円(前期比33.6%減)
・17位 長崎銀行 8,000万円 前期比+100万円(前期比1.3%増)
(2)金融グループ
・トップはふくおかFG。2位は北九州銀行を傘下に置く山口FG。3位は西日本FH。4位は九州FGとなっており、前期と変動はない。九州FGだけが前期比マイナス予想となっている。<まとめ>
各行の収益予想が計画通りになるかどうかは、東京五輪がスムーズに開催されるか、および予防接種が早期に実施されるかにかかっている。いずれにせよ、新型コロナウイルス次第といえそうだ。(了)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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