2024年11月27日( 水 )

【れいわ新選組】山本太郎代表が五輪強行への怒り爆発 消費税減税で野党共闘?

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小池百合子・都知事が五輪中止表明をするのか注目される中、れいわ新選組の山本太郎代表は5月27日の会見で、開催強行の菅義偉首相やIOC幹部への怒りを爆発させた。「五輪に関して菅総理がステージ4、感染爆発でも五輪開催の可能性を示唆。バッハ会長はじめIOC関係者も緊急事態宣言下でも開催するとした発言についてどう思うか」という質問に、「完全に常軌を逸している」と呆れ返ったのだ。

 「『どんな状況であってもやる』というのは、もう常軌を逸している世界に完全に入っています。人の命はどうでもいい、目の前のお金儲けだけだと。『この五輪という特需を決して無くすわけにはいかない』という、その人なりの正義感や使命感が存在するのだろう。でも、そういう人たちには一刻も早く退場していただかないと、もう十二分に国は壊れていますから、これ以上壊されることは許されないわけです。でも残念ながら、そういう常軌を逸した人間たちがこの国の舵を取り、オリンピック(組織委員会)のトップに座っている。漫画の世界のようだ」「何よりも2013年に五輪決議が行われた時に、(国会議員で)一人だけ反対したのが私です。だから五輪はコロナがあってもなくてもやるべきものではないし、さらにコロナで感染拡大をしている状況の中では絶対にやってはいけない」(れいわ新選組・山本太郎代表)

れいわ新選組の山本太郎代表

 山本代表に対して改めて、東京都議選(7月4日投開票)で五輪が争点になるのかについて聞くと、既にれいわは3人の公認候補を発表しているなかで、こう答えた。

 「争点というよりも、『五輪中止は当たり前の話だ』というのが私たちのスタンスです。今年3月に都議選の候補者を1人ずつ発表していくことをやりましたが、そこでも『五輪は中止以外にない』ということを伝えていますし、私たちの政策ビラにも『五輪は中止』と書かれています。それがニュースにならないのは、私たちの存在が小さすぎるからということかも知れません。昨年の都知事選挙で、私の政策のトップは『五輪は中止』ということでした。立憲民主党も(五輪を)やるべきではないという立場なのですよね。五輪だけが争点になっていくのは難しいのではないか。どうなのですかね」

 やや懐疑的な回答だ。再質問で、「『自公+維新+都民ファーストの会』が当たり前のこと(五輪中止)を言わない五輪強行派の立場で、それに対してまともなことをいう『れいわ・立民・共産・社民』という構図になると思う。その中で選挙協力をする考えはないのか」「(候補者を)立てていない1人区や2人区などで五輪中止派(候補)を、れいわの支持者、支援者に底上げしてもらって協力してもらうというようなイメージだが」と聞くと、山本代表はこう答えた。

 「選択肢としては、そうなるのではないか。どちらかを選ぶようになったら、それぞれの有権者の判断ですが、当然、私たちが訴えていることに近い、重なり合う候補の選択になってくるでしょうから」

 都議選は次期衆院選の前哨戦と位置づけられるが、本丸の総選挙での選挙協力についてはどう考えているのか。

――選挙協力に関連して、枝野代表が『枝野ビジョン』という本を出して、その中で時限的消費減税の可能性を否定しないどころか、「メッセージ効果がある」とメリットを強調。低所得者に対して「見捨てていない」というメッセージ効果があるので「検討する」と書かれているが、こうした内容を受けて次期総選挙で選挙協力があるのか。より具体的な話し合いが必要なのか。

 山本代表 本に書いてありましたね。「(減税)OKです」みたいなことですか(笑)。よくわからないやり方ですね。(枝野代表が本の中で)言われていることは正しいと思います。消費税減税はメッセージ効果が高いだけでなく、低所得者に対しても逆進性が高くなるわけですから。それだけではなくて、消費税は中小企業の首が締まり続けるような税制で、(消費税控除のために正社員から派遣労働者への切り替えを促すことで)働く人を壊しています。だから労働者の味方であれば、当然、枝野代表は(消費税)廃止まで視野に入れていると私は思う。

 ――これを受けて(次期衆院選での)選挙協力、候補者調整の話し合いに入る可能性はあるのか。

減税研究会発足時

 山本代表 (消費減税を)政策として旗を振っていただければいい。本の中で書かれていることは理解しました。その一方で、やはり次の衆議院選挙は必ず多数派を取るのだと考えるのだったら当然、野党をまとめていかないといけない。『(消費減税が)その旗になるのかならないのか』ということは、2019年の夏の選挙(参院選)が終わった時点から私は言っている。最大野党がそこを包摂していくような話し合いをしなければ。(立憲民主党が)リーダーシップを発揮していただく場面なのだろうと思います。

 4日後の5月31日にも山本代表は、馬淵澄夫・元国交大臣(立憲民主党)と立ち上げた「消費税減税研究会」の提言を発表。その内容は、コロナ禍の緊急措置として消費税を5%に引き下げるというもので、次期総選挙での野党共闘の旗印にするべく野党各党に申し入れる考えを明らかにした。

 山本代表は1週間後の6月3日に、不定期会見を2週連続で木曜日に開催、五輪中止や消費減税などについて熱っぽく訴えた。発信の頻度を上げた山本代表に触発される形で野党共闘が進んでいくのかが注目される。

【ジャーナリスト/横田 一】

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