2024年11月20日( 水 )

えだノンだめノン優柔不断

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「枝野幸男氏が共産党を含む野党共闘確立に進まぬなら、菅暴政の存続を許すことになる」と訴えた6月19日付の記事を紹介する。

菅義偉氏は主権者である日本国民を甘く見ている。
主権者の意思を尊重する考えなど毛頭持ち合わせていない。

政治の権力者が好きなように何でもできると考えている。
民主主義国家の首相として最低最悪。

日本の主権者である国民は、現下の最重要・最優先課題はコロナの収束だと判断している。
五輪開催はコロナ感染を拡大させる重大な原因になる。
五輪開催を断念すべき理由は以下の3点。

第1は五輪開催が感染拡大の重大な原因になること。
第2は感染拡大で医療が逼迫し、救える命を救えなくなること。
第3は五輪開催強行が人々の行動抑制を緩める決定的要因になること。

五輪に価値があるなら見方も変わる。
しかし、五輪の実態が、単なる薄汚れた利権興行であることが誰の目にも明白になってしまった。

五輪主催者は日本国民の命を犠牲にすることなど何とも感じない。
ただひたすら、五輪開催強行による巨大な放映権料獲得を目指す。
他国の国民に資金負担を強要し、五輪開催の放映権料だけを収奪する。
単なる金の亡者=銭ゲバに過ぎない。

菅義偉氏は「国民の命を最優先」と口で言いながら、「何よりも五輪を優先」の行動を続けている。
「国民の命が最優先」なら、五輪にともなう入国者数を最小に抑制すべきだ。
入国外国人に対する隔離措置を厳格に実施すべきだ。
感染を抑制するために無観客開催を選択すべきだ。
このすべてに反する現実がある。

入国者数抑制の話は中途半端なまま。
IOCファミリー3,000名の圧縮を図ると国家で言明したが、その後の報告がない。
すべての入国者に対して厳格な隔離措置を実施すべきだ。

しかし、五輪組織委は例外規定を設けて、大半の入国者が例外規定を活用する。
完全なザル規制。

有観客開催にこだわるのは、組織委関係者を観戦させるため。
無観客開催では五輪利権の最も重要な部分が消滅してしまう。
五輪チケットの融通が最重要の五輪利権の1つ。

ワクチン接種は進まない。
コロナに感染しても重篤化する可能性の低い圧倒的多数の市民は危険なワクチンを忌避する。
あたりまえのこと。

国会審議を通じてワクチン関連予算の詳細を明らかにする必要がある。
また、政府が支出するPCR検査についても検査の単価と受注企業名を明らかにする必要がある。

日本の新規陽性者数は減少から再増加に転じつつある。
新たな感染の中核はL452R変異株、E484Q変異株になる可能性が高い。
感染力が強く、ワクチン耐性が強い変異株であると見られる。

緊急事態宣言解除=五輪開催強行は、すべての行動制限解除の意味に受け止められる。
危険な五輪開催を強行して国民に行動抑制を強要できるわけがない。

6月23日に五輪開催強行に反対する市民団体が行動を計画している。
「6・23東京都庁包囲〝世界同時デモ〟」だ。

「NOlympicDay」
日程:2021年6月23日
6月23日18時都庁第一庁舎正面玄関前集合
19時デモ出発→アルタ前解散
趣旨:東京五輪主催者に対して「開催中止」を求める

民主主義の主役は主権者である国民。
権力者が主権者の意思を踏みにじり、横暴な行動を続けるなら、主権者である市民が行動を起こさなければならない。
五輪は「平和の祭典」でなく「犠牲の祭典」「利権の祭典」「悪の祭典」と化している。
菅義偉氏に民主主義の意味を教示する必要がある。

菅義偉氏は日本の主権者を甘く見ている。
五輪開催を強行してしまえば、日本国民など、反対世論など忘れて五輪にうつつを抜かす。
五輪開催を強行してしまえば、五輪を商業利権満載の行事にしたところで誰も気付かない。
五輪開催を強行してしまえば、内閣支持率など簡単に上がる。
五輪開催を強行してしまえば、自民党総裁選も衆院総選挙も乗り切れる。

五輪開催でコロナ感染が拡大しても
「五輪開催が感染拡大の主要な原因であるとのエビデンスは存在しない」
と言い張れば、責任など簡単に回避できる。

およそ、このようなことを考えているだろう。
要するに、菅義偉氏は主権者である国民を甘く見て、馬鹿にしているのだ。

これに対して、日本の主権者はどう思い、どう行動するか。
このまま、菅義偉氏の考えを否定もせず、受け入れるならそれまでだ。
その程度の国民ということになる。

それでは国民は主権者でない。
単なる被支配者だ。
権力者にひれ伏す臣民でしかない。
日本の主権者の矜持が問われている。

権力者の傲慢、横暴を容認するから権力者がつけ上がる。
主権者である国民が行動し、意思を明示して、悪徳為政者の行動を正すことが重要だ。

この局面で主権者の意思を汲み、行動しなければならないのが野党だが、日本の野党第一党が低迷している。
いま必要なことは選挙に勝つこと。
選挙に勝利して菅義偉氏を、法的正当性をもって退場させる。
そのためには、求心力のあるリーダー、適正な戦術が必要不可欠だ。

立憲民主党の枝野氏に主権者の意思を代表して行動する気魄がない。
これでは悪政を退散させることができない。

何よりも重要なことは野党共闘の確立。
逆に、自公が勝利する条件はただ1つ。
野党共闘を分断できるかどうか。
野党共闘を分断できれば自公の勝利は揺るがない。

野党共闘を分断する方法はただ1つ。
共産党と共闘する勢力と共産党とは共闘しない勢力に分断すること。
これを懸命に訴えている組織がある。
国民民主党と連合六産別。
この事実が2つの勢力の正体を明らかにしている。

野党共闘を分断させようとしている本尊はCIAであると見られる。
CIAが国民民主党と連合六産別に分断推進を指令していると考えられる。
ここまでわかれば、何をすべきかは明白。
国民民主党と連合六産別の主張を退けて、共産党を含む野党共闘を構築すること。
これに邁進する。

国民民主党と連合六産別は嘘偽りなく、自公の側に移るべきだ。
枝野幸男氏が共産党を含む野党共闘確立に進まぬなら、立憲民主党は支援の対象から外さねばならない。
菅暴政の存続を許すことになる。
立憲民主党の対応が遅ければ立憲民主党の選挙後崩壊を待たなければならないことになる。

ここで動かなければならないのが主権者国民だ。
主権者が動き、野党共闘を牽引する。
立憲がだめなら主権者が動くしかない。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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